3Dプリンターを使ってみたいけれど、何を揃えればよいのか、どうやって使うのか分からないという人もいるかもしれません。3Dプリンターを使えば、特別な技術がなくても様々なものを作ることができます。
今回は、3Dプリンターの使い方について詳しく解説します。
3Dプリンターは初心者でも扱える?
3Dプリンターを使うのは難しそうというイメージがあるかもしれませんが、実際は初心者でも扱うことができます。家庭用の3Dプリンターも多く登場しているので、専門的な知識がない人がプライベートで使用するのも問題ありません。
機種によって使い方は変わりますが、印刷する手順はそれほど複雑ではなく、モデルを選んで実行するだけで出力できるものが多いです。
3Dモデルを作るのが少し難しいですが、配布されているデータなどを使えば、初心者の人でも3Dプリンターで簡単に造形物を作ることができます。
3Dプリンターを使うために必要なものは?
3Dプリンターを使うためには以下のものを揃える必要があります。
- パソコン
- 3Dデータ
- 3D CADソフト
- スライスソフト
- 3Dプリンター
- 材料(フィラメント)
①パソコン
3Dプリンターで何かを作る時は、パソコンが必要です。プリンターだけでは、造形物の3Dデータを作成できません。
パソコンに3D CADソフトなどをインストールし、作りたい物の設計図を作りましょう。また、3Dデータを3Dプリンターが読み込める形式に変換するソフトや、出力の設定を行うソフトを使う時にも、パソコンが必要になります。
②3Dデータ
3Dプリントしたいモデルの元のデータとなる、3次元データ(3Dデータ)も不可欠です。3Dデータの作成にはいくつかの方法があり、以下の記事で紹介しています。
3Dデータを自分で作ることができない人は、前述したとおり配布されているデータなどを使うことで3Dプリンターを動かすことができます。
③3D CADソフト
3D CADソフトは、簡単に言うと立体モデルの設計図を作るためのソフトです。
3Dプリンターは、設計図がなければ造形物を作ることができません。3D CADソフトで3Dデータを作り、3Dプリンターに読み込ませる必要があります。
無料のもの有料のものがあるので、使いやすいものを用意しましょう。3Dデータを誰かに作ってもらったり、ネットからダウンロードしたりする場合には必要ありません。
④スライスソフト
3Dプリンターから造形物をどのように出力するか設定するのが、スライスソフトです。無料で使えるソフトが多く出ているので、安く済ませたい場合は無料のものから試してみましょう。
また、3Dプリンターのメーカーが専用のスライスソフトを提供していることもあります。専用のスライスソフトがある場合は、そちらを使うほうが失敗が少ないでしょう。
⑤3Dプリンター
3Dプリンター本体がないとお話になりません。現在は家庭向けの3Dプリンターも数多く出ており、初心者でも扱いやすいものがたくさんあります。
自分で持っていなくても、Fab施設やコワーキングスペースで借りることもできますよ。
⑥材料(フィラメント)
フィラメントも必要です。フィラメントは造形物を作るための材料・素材で、色々な種類があります。価格や使いやすさ、仕上がりなどが変わってくるので、事前にどのようなフィラメントがあるのか、それぞれの特徴を理解した上で用意するようにしましょう。
3Dプリンターを使って造形物ができるまでの流れ
3Dプリンターを起動させれば、すぐに印刷ができるというものではありません。造形物ができるまでにはいくつかの工程があります。
- 造形物の3Dデータを作成する
- 3Dデータを変換する
- スライスソフトを使ってプリントの準備をする
- 3Dプリンターに材料をセットする
- プリントする
- 仕上げの処理や加工を行う
むずかしいものではありませんので、順番にチェックしていきましょう。
①造形物の3Dデータを作成する
3Dプリンターを使って何かを作る時は、まず最初に3Dデータを作成しなければなりません。
3Dデータは、「自分で作る」「ダウンロードする」「スキャナで取り込む」などの方法で用意します。
ネット上には3Dプリンター用のデータを公開しているサイトがあるので、好みのものが見つかればダウンロードしてください。CADやCGソフトを扱える人であれば、自分で作ることも可能です。
②3Dデータを変換する
用意した3Dデータは、そのまま3Dプリンターに読み込むことはできません。
STLと言われる、3Dプリンターで読み込むための専用のデータに変換する必要があります。STLデータ変換用のフリーソフトもあるので、利用するとよいでしょう。
③スライスソフトを使ってプリントの準備をする
STLに変換したデータは、スライスソフトでプリントするための準備をします。
スライスソフトは、どのようにプリントするか条件を決めたり、プレビューで完成図を確認したりするソフトです。造形物の大きさや方向、プリントする時のスピードなど、様々な設定を行う大切な工程です。スライスソフトの使い方をマスターして、適切なプログラムを作成しましょう。
プレビューをしっかり確認し、問題がなければ3Dプリンターにデータを転送します。
④3Dプリンターに材料をセットする
造形物のデータを3Dプリンターに転送したら、材料をセットします。使う材料によって色合いや質感が変わってくるので、事前に好みのものを見つけておきましょう。
3Dプリンターの機種によって対応できる材料が変わりますので、その確認も怠ってはいけません。
⑤プリントする
素材をセットして準備が完了したら、実際にプリントしていきます。操作自体は簡単で、モデルを選択してプリンターの実行を押すだけです。
⑥仕上げの処理や加工を行う
造形物が出力されたら、より綺麗に仕上げるために処理や加工を行います。バリを取ったり、ヤスリ掛けしたりすることで、見た目が綺麗になります。
ヤスリ掛けは、専用のペーパーやコンパウンドなどを使います。表面の凹凸が綺麗になり、質感も見た目もよくなるので、積極的に行いましょう。
分割してプリントした場合は、それぞれのパーツを接着しなければなりません。3Dプリンターで出力できる造形物の大きさは決まっているため、大きなものを作る場合はいくつかに分割しなければなりません。
接着剤は市販のものでも問題ありません。
3Dプリンターで使用する素材にはどのような種類がある?
材料のフィラメントは様々な素材でできています。以下では主な3種類をご紹介します。
3Dプリンターで使用できる素材①PLA
PLAは、ジャガイモやトウモロコシなどの農産物を原料とした樹脂です。3Dプリンターで造形物を作る時、臭いが発生することがあるのですが、PLAは臭いが少ないということでよく利用されています。
また、熱収縮が少なく扱いやすいというのも魅力です。価格も安く、対応する機種も多いので3Dプリンターを試してみたいという人に向いています。
FLASHFORGE フィラメント PLA(500g)
¥3,630(税込)
ご注文から1-3営業日以内にお届け可能
造形マテリアル | PLA |
最大造形サイズ | ー |
積層ピッチ | ー |
3Dプリンターで使用できる素材②ABS
アクリロニトリル、ブタジエン、ポリスチレンを組み合わせて作られたのがABSです。それぞれのメリットを活かし、耐衝撃性や耐熱性、強度、加工のしやすさなどを実現した素材で、人気があります。
出力後の処理や加工がしやすいので、初心者の人にもおすすめです。
造形マテリアル | ABS |
最大造形サイズ | ー |
積層ピッチ | ー |
3Dプリンターで使用できる素材③PETG
PTEGは、ペットボトルにも採用されている材料を改良して作られた樹脂です。
3Dプリンターの積層して物を作るという特性上、ペットボトルほど透明性は高くありませんが、やや透けて見えるくらいの透明度は出ます。
耐熱性や耐久性に優れているというのもメリットで、強度を求める時に採用したい素材です。
ただし、温度調整などが難しく、扱いにくい面もあるので初めて3Dプリンターを使う人は注意してください。
造形マテリアル | PETG |
最大造形サイズ | ー |
積層ピッチ | ー |
3Dプリンターを使ったことがない初心者にもおすすめな機種3選!
これまで3Dプリンターを使ったことがないという人でも扱いやすい機種をピックアップしてみました。
初心者にもおすすめな3Dプリンター①Adventurer3
Adventurer3はエントリータイプの3Dプリンターなので、初心者にもおすすめです。
外観デザインはシンプル。サイズもコンパクトなので自宅に置いても邪魔になりません。造形物を出力中にフィラメントが切れてしまった時、途中で継ぎ足して再開できる「フィラメント検出機能」も搭載しています。
見やすい大きなタッチパネル、200万画素の遠隔カメラ、ワンプッシュで取り外しできるノズルなど、機能性も十分です。
FLASHFORGE
Adventurer3
¥49,500(税込)
送料無料
ご注文から1-3営業日以内に発送可能
造形マテリアル | PLA、ABSなど |
最大造形サイズ | 150×150×150 mm |
積層ピッチ | 0.05mm~0.4mm |
初心者にもおすすめな3Dプリンター②UP Plus2
コンパクトなサイズながら、高品質な造形物を出力できるということで人気になっているのが、UP Plus2です。
本体サイズは、245×260×350mmでどこに置いても邪魔にならない大きさ。重量は約5kgで持ち運びにも困りません。
自動で水平補正や高さ調整してくれる機能が付いているのも、初心者には嬉しいポイントでしょう。
造形マテリアル | ABS、PLA |
最大造形サイズ | 14×14×13 cm |
積層ピッチ | 0.15〜0.40mm |
初心者にもおすすめな3Dプリンター③Ender-3 S1 Pro
Ender-3 S1 Proは、主要なPLAやABS以外にも、TPUやWOODなど様々なフィラメントに対応している3Dプリンターです。
造形物の出力は、22×22×27cmまで対応しています。
フィラメントセンサー、LEDライト、自動レベリングなど様々な機能が備わっているのもポイントです。300度の高温印刷も可能なので、耐久性も問題ありません。
初心者の人は扱いやすい機種を選ぼう!
3Dプリンターは様々な種類があります。業務用の機種は扱い方が難しいものもありますが、家庭用であれば初心者でも扱えるようになっているものがほとんどです。
設置場所のスペースに収まるサイズか、複雑な操作は必要ないかなどを見て、扱いやすい機種を選ぶようにしましょう。
3Dプリンターの使い方を覚えて色々なものを作ってみよう
3Dプリンターを使えば、誰でも簡単に様々な造形物を作ることができます。最初は手間取るかもしれませんが、使い方自体はそれほど難しくありません。
何を揃えればよいのか、どのような工程で作業するのかなど、使い方を覚えて色々なものを作ってみましょう。