3Dプリンターを使ってみたいと思いながらも、
- いきなり購入するのはためらうなぁ
- 買っても、新しい機能を備えた新機種がどんどん出てきてそう
- 今後の使用頻度がまだわからないので、購入すべきか迷うなぁ
と躊躇する人が多いのではないでしょうか。
そんな人のために、注目されている3Dプリンターのレンタルサービスについて解説します。
個人でも3Dプリンターのレンタルは可能?
3Dプリンターは個人や法人に関係なくレンタルをすることができます。
レンタル業者が3Dプリンターを設置しているスペースなどに出向く方法と、3Dプリンターをレンタルして設置する方法があります。
個人の場合は、レンタル業者が3Dプリンターを設置しているスペースなどに出向く方法が主流です。レンタルスペースやワークショップに自分が出向けば、スタッフが3Dプリンターの操作方法を教えてくれます。
組み立ての必要がなく、セットアップされた状態なので時間を有効活用できます。また複数の機種を比べて試す機会になるでしょう。価格は1回3,000円程度です。
会社やオフィスで3Dプリンターを使いたい時は、レンタルして設置することになります。
レンタル業者に問い合わせ、レンタルを希望する3Dプリンターの見積もりをお願いし、条件に納得できれば契約する流れです。機種により異なるものの、月額3万円以上が相場です。
個人で3Dプリンターを借りて自宅に設置するレンタルサービスは、対応している業者が少ないのが現状です。
設置場所の確保や配送、セットアップ、組み立てなどを自力で行う必要があるため、個人の初心者は、ワークショップなどに出向いて体験することをおすすめします。
3Dプリンターのレンタルを利用するメリット・デメリット
3Dプリンターのレンタルの利用には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
3Dプリンターのレンタルを利用するメリット
3Dプリンターのレンタルを利用するメリットは、
- 初心者でも3Dプリンターに触れることができる
- 初期導入コストを抑えられる
- レンタル料金を経費の扱いにできる
ほとんど知識のない初心者でも、ワークショップでは操作方法が教えてもらえるので、3Dプリンターの魅力を体感できるでしょう。
また会社やオフィスで短期間だけ利用するのであれば、初期投資費用が安く抑えられます。高性能3Dプリンターや大型3Dプリンターなどの最新技術を試すこともできます。
購入すると固定資産として税金を支払う必要があります。レンタルの場合は減価償却の処理は不要、経費として計上できます。
3Dプリンターのレンタルを利用するデメリット
3Dプリンターのレンタルを利用するデメリットは、
- 長期にレンタルする場合は購入よりもコストがかかる場合がある
- 使用できるかどうかは機器の空き状況による
レンタル料金には修理・保守費用が含まれていることが多く、長期にレンタルする場合は費用が割高になり、購入するよりもコストがかかってしまう場合があります。
またワークショップで自分よりも先に他の利用者がいると、使いたいタイミングでサービスを利用できません。レンタルして設置する方法でも、メーカー側が指定するレンタルが可能な3Dプリンターの機種は限定されます。
別のところに機器を貸し出していて在庫がない等の事情で、急遽3Dプリンターが使いたい時に利用できない可能性があります。
3Dプリンターのレンタルサービス4選
では、実際に3Dプリンターをレンタルしたい場合どうしたらよいのでしょうか。
以下ではレンタルサービスを行なっている業者をご紹介します。
レンタルサービス①:DMMシェアスペースAKIBA
東京都千代田区にある、本格的な工作機械を24時間使えるファブスタジオです。専門スタッフに加え、コミュニティパートナーやサポーターに相談することができます。
3Dプリンターのレンタルが可能な機種はStratasys F120、Adventurer3で、どちらも予約制です。
料金は会員月額プランとスポット利用プランが設定されています。初回利用時にライセンストレーニング(2,200円)の受講が必要です。
さらに初回はStratasys F120はモデリングベース(2,640円)の購入、Adventurer3の場合はプラットフォーム(3,300円)とフィラメント500g(2,750円)の購入が別途必要になります。
Adventurer3の購入はこちら
造形マテリアル | PLA、ABSなど |
最大造形サイズ | 150×150×150 mm |
積層ピッチ | 0.05mm~0.4mm |
レンタルサービス②:カインズホームのカインズ工房
全国のカインズ工房のうち3Dプリンターの設置店舗は限られていますので、事前に設置店舗を確認してください。
予約制で準備・片付けの時間も含む1時間単位での利用ができます。STLファイルでデータを持参して、データの作成から出力までを自力で行います。
レンタル可能な3DプリンターはMF-1100、ダヴィンチ1.0Pro 3in1です。
3Dプリンターレンタル料金は、フィラメント代金を含めて30分350円です。
レンタルサービス③:オリックス・レンテック
造形受託や導入支援、レンタルといった幅広いニーズに応えている会社です。
3Dプリンターレンタルサービスでは、3種類の樹脂プリンターから選択します。レンタル期間を自由に設定することが可能なので、他社では難しい短期間のレンタルも実現します。
オリックス・レンテックがユーザーの指定した製品を購入し、再販の価値を考慮したリーズナブルな料金を設定します。
見積金額には運用・保守費用まで試算し、導入に向けたさまざまな提案力に定評があります。レンタルの中途解約が可能なので、事業リスクにも対応できます。
レンタルサービス④:KEYENCE
3Dプリンターを使用するための設備や工事は不要、100Vの電源のみを用意できればレンタルすることができます。レンタルまでのハードルが低いので、気軽に見積もりや相談ができます。レンタル専用機や料金は問い合わせが必要です。
またレンタルだけでなく、東京と大阪で予約制のショールーム体験を実施しています。
3Dプリンターのレンタルサービスの選び方
3Dプリンターのレンタルサービスがひと通りわかったところで、サービスを選ぶ際のポイントをチェックしましょう。
3Dプリンターのレンタルサービスを選ぶ際は、利用できる材料や、コスト、レンタル会社のサポート体制などが主な判断基準となります。
選ぶポイント①:作りたいものの実現が可能かどうか
作りたい造形物が制作できるか、材料が扱える機種かどうかの確認が必要です。
3Dプリンターは機種によって、使用できる材料や出力の精度、造形物の大きさが異なります。
会社やオフィスでレンタルする場合は、自社が目指す造形物に対応できるか慎重に確認しましょう。
選ぶポイント②:レンタル会社のサポート体制
レンタル会社のサポート体制も重要です。3Dプリンターの配送や設置、3Dデータの準備や材料の選択、セッティングなどの作業をどこまでレンタル会社がサポートし、どこから自社でやるべき作業なのか明確にしておきましょう。
トラブルが発生した際に、レンタル会社がどのような方法で、どの範囲までサポートしてくれるのか、レンタル料とは別途に費用が必要なのか事前の確認は必須です。
選ぶポイント③:料金・かかるコストを考える
3Dプリンターの機種によって、レンタル料金は異なります。小型の3Dプリンターであれば、月額数万円、大型の3Dプリンターや高性能な機種は月額で数十万円かかります。
自社の用途には必要のない高性能な3Dプリンターをレンタルすると、コストがかかります。
FDM方式ならフィラメント、光造形方式ならレジンを消耗します。消耗品がレンタルサービスの内容に含まれているか事前に確認しておきましょう。
選ぶポイント④:導入時の設置環境に合っているか
大型の場合は設置場所が確保できるのか、騒音などの環境悪化や社員の動線が業務に支障をきたさないか、などを確認する必要があります。
このような導入時の懸念事項も相談でき、時には払拭できるような提案策を提示してくれるようなレンタル会社は心強い味方になるでしょう。
複数のレンタルサービスに見積もり依頼や相談をして、比較してから選ぶことをおすすめします。
レンタルサービスを利用して、3Dプリンターを自分の目で確かめてから購入を検討しよう
3Dプリンターのレンタルサービスのメリット・デメリットやレンタルサービスの選び方を紹介しました。
3Dプリンターの実力を自分の目で確かめてから購入したい場合には、まずはレンタルサービスがおすすめです。初心者でも参加しやすいワークショップなどを積極的に活用して、作ってみたい造形物が実現する喜びを体感してください。