Form2は3Dプリンターとして注目されてよく話題になっています。ただ、生産終了になって手に入らないという話を聞いたことがある人もいるでしょう。
この記事ではForm2の特徴や販売価格と、現在の生産状況についてまとめたので参考にしてください。
Form2とはアメリカのFormlabs社によって開発された3Dプリンターです。まずはForm2の特徴と販売価格について確認していきましょう。
Form2は高精細造形を実現するために仕上げられた3Dプリンターです。光造形型の3Dプリンターで、積層ピッチは25マイクロメートルになっています。試作品の作成に適しているように精度とスピードのバランスを取った仕様になっていて、効率的な政策ができるのが特徴です。EN 60825-1:2007認証を受けたガルバノメーター駆動によるClass 1の250mWレーザーを搭載しているのも照射精度が高い理由です。Form2ではプリントの安定性を確保するためにレジンの均一性を保持するための攪拌装置や温度を維持するためのヒートタンクなども搭載して、再現性の高いプリントを実現しています。
本体サイズは350×330×520mmの小型3Dプリンターで、家庭用から業務用まで幅広く活用できるスペックになっているのがForm2の特徴です。デスクトップモデルでありながら、光造形に対応している高性能な3Dプリンターはあまり多くはありません。
Form2は使用できるレジンの幅も広く、スタンダードレジンだけでなくタフレジンやデュラブルレジン、フレキシブルレジンやキャスタブルレジンなどにも対応しています。別オプションとして二次硬化装置のForm Cure、自動洗浄装置のForm Washも活用できるため、高度なマテリアルの生産や効率的な製品の製造もしやすいのがForm2の魅力です。
Form2はユーザビリティを重視した設計になっています。PCレスでの簡単操作に対応しているのがForm2の特徴で、基本的な操作はForm2のタッチパネルでおこなうことが可能です。
直感的に操作できるインターフェースにすることで多くのユーザーから選ばれる3Dプリンターとしての地位を確立しています。
また、Form2はWi-Fi接続にもLAN接続にも対応していて、ネットワーク経由で造形データを送信してプリントすることが可能です。USBメモリによってデータを入力することもできるため、使いやすい方法を選べるのが魅力です。
ジョブの管理や操作はウェブを使っておこなうこともできます。PCだけでなくスマートフォンやタブレットも使えるのでユーザビリティが高い3Dプリンターです。
Form2は高精度でユーザビリティが高いにもかかわらず、低価格なのが人気の理由です。メーカー価格で475,900円が定価になっています。プリントに使用するレジンは別途購入する必要がありますが、本体価格の水準としては精度とのバランスを考えるとリーズナブルです。もちろん、3Dプリンターにはもっと安価な機種もあるので、格安品というわけではありません。しかし、製品製造にも使用できるクオリティの3Dプリンターの中では安価で小型というのがForm2のメリットです。
Form2は人気モデルとして注目されていましたが、廃盤になったと言われています。ここでは実際の状況を簡単に解説するので参考にしてください。
Form2を開発したFormlabsではForm2を生産終了してしまいました。2023年1月から段階的にForm2のサポートも終了する方針を立てています。消耗品の製造や販売、修理などのサービスについても段階的に終了に向かう予定を立てています。
そのため、日本でForm2を取り扱っていた販売代理店も取り扱いを終了する方法に進んでいるのが現状です。まだ在庫を抱えていて販売しているところもないわけではありませんが、Form2を購入してもサポートや消耗品販売が打ち切られてしまうので、今から購入するのは合理的とは言えないでしょう。
Form2が生産終了になって廃盤になるのは、後継版のForm3+が開発されたからです。
Formlabsでは3Dプリンター技術の発展と活用範囲の拡大に合わせて、より高い精度とユーザビリティを持つ製品の開発を進めてきました。
Form3+はForm2の正規後継版としてリリースされています。Form2とは完全な互換性があるわけではないですが、レジンカートリッジやソフトウェアなどは共通で使用することが可能です。特にソフトウェアが共通している点はメリットで、Form2を利用してきた場合にはForm3+に切り替えても抵抗感なく使いこなせるでしょう。Form2を新規購入したかったときだけでなく、追加購入を検討していたときにもForm3+は有力候補になります。
Form2が生産終了になったことを受けて似てる3Dプリンターを探したいという人もいるでしょう。
ここではForm2と同じ光造形型の3Dプリンターで、高性能かつ価格帯もリーズナブルな機種を3つピックアップしました。それぞれの3Dプリンターの特徴と簡単に紹介するので、プリンター選びの参考にしてください。
先ほど紹介したForm3+は光造形型のデスクトップ型3DプリンターとしてForm2の後継版なので似てる部分がたくさんあります。
Form2が持っていた精度の高さやユーザビリティをブラッシュアップしているので魅力が大きい選択肢です。造形方式をSLA方式からLFS方式に切り替えて正確性を高め、レーザー直径を140マイクロメートルから85マイクロメートルにして精度をさらに向上させています。
対応しているレジンの数も多くなり、多様な試作品・製品の製造に活用できる高性能な3Dプリンターになっているのが特徴です。販売価格はForm2に比べて高くなっていますが、納得のクオリティを安定して実現するプリンターになっています。
造形マテリアル | Standard、Castable、Flexible etc |
最大造形サイズ | 145×145×185 mm |
積層ピッチ | 25〜300 μm |
前モデルのForm2から革新した光造形3Dプリンターが登場。新構造のレーザーユニット(LPU)とレジンタンクによって実現したLFS方式により、高いレベルでの再現性と安定性を実現。… 続きを見る
FLASHFORGEのFoto8.9sは低価格ながらバランスの整っている3Dプリンターです。Foto8.9sはLCD方式による光造形型の3Dプリンターで、積層ピッチはForm2と同じ25マイクロメートルから対応しています。4Kモノクロの対応ですが、プリント速度が10~50mm/hという比較的高い水準になっているのが魅力です。Foto8.9sはスクリューモーターやリニアガイドによる安定してレジンを活用できる仕様になっています。タッチパネル搭載でPC不要で利用できるのもForm2と同じです。
Foto8.9sは価格が安く、10万円以下で購入できるのでエントリーモデルとして魅力的な3Dプリンターです。
造形マテリアル | スタンダード、水洗い、ABSライク |
最大造形サイズ | 192×120×200 mm |
積層ピッチ | 0.025~0.2mm |
Foto8.9sは、さらに高解像度、高速、安定性を実現したLCD方式の光造形3Dプリンター。充実した印刷サイズで幅広い用途に使用可能です。… 続きを見る
ELEGOOのMars 3 Proは4Kモノクロの3Dプリンターで、コンパクトかつ信頼性の高い安定性のあるプリントを実現している点で注目されています。Mars 3 Proは印刷スピードが優れていて、小型のプロダクトを大量生産するのに適している3Dプリンターです。
COB光源を使用してForm2と同じ波長のレーザーを用いて高い精度のプリントを実現できる仕様になっています。Mars 3 Proは極めて安価で、42,000円程度で購入することが可能です。操作もタッチパネルでできるユーザビリティを持っているので、初心者でも使いやすい製品です。
Form2は高精度でユーザビリティも高い人気の3Dプリンターでしたが生産終了になりました。しかし、後継版のForm3+を代表として優秀な3Dプリンターも増えてきています。特徴が似ていて使いやすい製品を選んで購入しましょう。
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