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【2024】3Dプリンターの医療器具活用例は?メリットや課題点も解説

需要が高まり続けている3Dプリンターは、企業の試作品や個人のDIYなど幅広い分野で活用されています。そして、臓器モデルや義手・義肢など、医療器具分野においても大きな変革をもたらしました。

本記事では、3Dプリンターの医療器具への活用例、メリット、課題点について解説します。

3Dプリンターとは

3Dプリンターとは

3Dプリンターは、3Dデータに基づいて立体物を作成する機械です。

積層造形法と呼ばれる技術を用い、薄い層を重ねることで物体を作り上げます。3Dプリンターは、医療器具や建築模型、アパレルなど、さまざまな分野で活用されています。

3Dプリンターは、1980年代に実用化され、2020年代に建築分野へ応用されました。近年では、リーズナブルな製品も登場し、アクセサリーやフィギュア作りなど個人の趣味に活用するケースも増えてきました。

3Dプリンターは、造形精度や速度、3Dデータの必要性、法規制整備の遅れなどの課題点もあります。今後は、これらの課題克服とともに、私たちの生活にさらなる変革をもたらすでしょう。

3Dプリンターの活用例

3Dプリンターの活用分野は多岐にわたります。以下では主な活用例を挙げてみました。

  • 製品開発
    プロトタイプ(早期試作品作成)開発、ニーズに合わせた製品作成
  • 建設
    建物の立体模型や複雑な部品の製作
  • 教育
    模型などの教材作成
  • 医療
    義肢・インプラントなどの作成
  • ファッション
    アパレル製品・ジュエリーの作成
  • アート
    デジタル造形によるアート作品や彫刻の制作

上記のように、3Dプリンターの技術はファッションやアートまで広がり、私たちの生活を豊かなものにしています。詳しい3Dプリンターの活用例については、以下の記事を参考にしてください

3Dプリンターとは? 基本の造形方式と活用法を解説

医療での3Dプリンターの将来性

近い将来、「バイオ3Dプリンター」が医療分野に大きな変革をもたらすことが期待されています。バイオ3Dプリンターとは、樹脂などのフィラメントの代わりに細胞を積み重ねて組織や臓器を作る技術です。

バイオ3Dプリンターは、患者自身の細胞から作製した人工臓器移植を実現しました。医療現場におけるドナー不足や拒絶反応といった課題を克服した、まさに「臓器移植の革新」ともいえる技術なのです。

現在、佐賀大学医学部や京都大学で臨床研究や臨床試験が実施され、いくつもの成功例が発表されました。さらに、薬の開発に欠かせない動物実験の代替となる組織や臓器作成も進められています。

3Dプリンターを医療器具に使うメリット

医療器具で3Dプリンターを使うメリット

3Dプリンターを医療器具に活用したことにより、さまざまなメリットをもたらしました

  1. 個々のニーズに対応
  2. 手術の安全性向上
  3. 医療器具開発の迅速化

それぞれ順に解説していきましょう。

①個々のニーズに対応

医療現場では、年齢、体格、症状、病状など個々のニーズが多様化しています。そのような中、3Dプリンターの技術は利用者に寄り添う治療を実現し、医療の質向上に貢献しています。

例えば、従来の既製品では対応できないケースも多くありましたが、3Dプリンターを使うことで一人ひとりに合わせたオーダーメイドの医療器具を活用できるようになり、フィット感の向上、痛み・不快感の軽減などのメリットをもたらしました。

②手術の安全性向上

3Dプリンターの技術は、手術の安全性を飛躍的に向上させています。

例えば、3Dプリンターで作られた「DECAPセット」は、内視鏡手術時の注射針における血液曝露(血液に触れること)事故防止キットとして注目されています。

3Dプリンター製の「iKnife」は、電気メスと質量分析計を組み合わせた手術器具です。電流を流したメスを細胞にあて、発生した煙を分析することでわずか数秒でがん細胞を検出します。

③医療器具開発の迅速化

3Dプリンターの普及・進化により、医療器具開発が迅速化しました。従来は、設計図に基づいて型を作り製品を製造していたため、設計変更や改良に多くの時間を要していました。

しかし、設計データを直接読み込んで製品を製作する3Dプリンターは、設計変更や改良がスムーズで、開発期間も大幅に短縮できます。複雑な形状でも自由に製作できるので、より高度な機能を持つ医療器具の開発が可能となったのです。

3Dプリンターの医療器具活用例

それでは、3Dプリンターの医療器具活用例をご紹介します。

  • 臓器・骨モデルを使った手術シミュレーション
  • 義足・義手の作成
  • 自助具作成
  • インプラント
  • 人工関節への適用

臓器・骨モデルを使った術前シミュレーション

近年、3Dプリンターを使った術前シミュレーションが、医療現場で注目を集めています。術前シミュレーションでは、CTやMRIから得られた画像データを3Dデータ化し、それに基づいて患者の臓器や骨を忠実に再現したモデルを作成・施術します。

リアルなモデルを使うことで、実際の手術に近い環境での練習が可能となりました。手術前に3Dモデルで患部を詳細に確認しておくと安全で確実な手術計画を立てられるため、若手医師の育成や難しい手術症例に有効とされています。

義足・義手の作成

3Dプリンターは、今までの製法と比べてコストを抑え、デザイン性の高い義足・義手の製作を可能にしました。

義手・義足は数十万~数百万円と高価な場合が多く、費用面から断念せざるを得ない人もいましたが、3Dプリンターを使用することで、コストを抑えて製作することが可能になり、多くの人にとって手の届くものになりつつあります。

また、3Dプリンターは、個々のニーズに合わせた形状や色、デザインで製作することができるため、無機質なデザインに抵抗感を持っていた方にも受け入れられやすくなりました。

自助具作成

昨今は、3Dプリンターで障がいを持つ方の自立を支える自助具を作成する方が増えてきました。

従来の自助具は一人ひとりのニーズに合わせた製作が難しく、発注から完成までに時間も費用もかかりました。しかし、3Dプリンターを活用することで自分の体格や症状に合わせたオリジナル自助具を低コスト・スピーディに作れるようになったのです。

3Dプリンターで作成できる主な自助具には、ペンホルダーや箸・スプーン、コップ、スマホホルダーなどがあり、中には車椅子の改造部品に3Dプリンターを活用する方も見られます。

インプラント

入れ歯製作に活用されている3Dプリンターの技術は、インプラント治療にも応用されています

以前まで、インプラント手術には、「サージカルガイド」というインプラント埋入のためのガイドが必要でしたが、3Dプリンターの活用により歯科用CTで得られたデータから骨格モデルを製作できるようになりました。

近年、3Dプリンターで作製された人工歯根やインプラント体も開発されており、将来的には、より精密で患者負担の少ないインプラント治療が実現されることが期待されています。

人工関節への適用

3Dプリンターは、人工関節の製造に新たな可能性をもたらしています。大阪大学が開発した高強度で生体親和性に優れた「BioHEA」は、金属3Dプリンターでの造形を実現した新素材です。

BioHEAは、今後人工関節、人工椎間板など、さまざまな医療器具への応用が期待されています。しかし、BioHEAの医療器具への実用化には、薬事承認に向けた安全性評価など、いくつかの課題点も残されています。

医療器具も作れる!おすすめ3Dプリンタ―3選

ここでは、自助具など自分に合った医療器具を作れるおすすめ3Dプリンターを3選ご紹介します。

Form3+【ベーシックパッケージ 12ヶ月保証】

Form3+はLFS方式を採用した光造形3Dプリンターで、高い再現性と安定性を実現しています。

移動式レーザーユニットとフレキシブルレジンタンクにより、精巧なモデルをスピーディに製造できるのが特徴。新機能のライトタッチサポートやアラート機能、リモート機能も備えているので、医療器具制作が初めての方も安心です。

Form3+【ベーシックパッケージ 12ヶ月保証】
formlabs-form3 ¥430,100(税込)

付与ポイント:4301ポイント

送料無料

 

Standard、Castable、Flexible etc 145 x145 x185 mm 25μm〜300μm LFS(光造形方式) Wi-Fi (2.4, 5 GHz)、Ethernet (1000 Mbit)、USB 2.0

UP 300 3Dプリンターセット

FFF方式を採用したUP 300は、多様な素材への対応力と高精度を備えた大型3Dプリンターです。

精密な造形を実現するガラス式ビルドプレートや0.05mmの積層ピッチ、作業を簡素化する手で外せる自動サポートも特徴。医療器具の制作ビギナーでも使いやすいソフト「UP Studio」を搭載しています。

UP 300 3Dプリンターセット
up-300 ¥434,500(税込)

付与ポイント:4345ポイント

送料無料

 6位

ABS樹脂・PLA樹脂・TPU その他 255 x205 x225 mm 0.05〜0.40mm FDM(FFF・熱溶解樹脂積層方式) USBケーブル、LANケーブル、Wi-Fi

Raise3D E2CF(デュアルヘッド)

E2CFは、大型造形と高い安定性、使いやすさを兼ね備えた3Dプリンターです。

操作は簡単なタッチパネル式で、PLAやABSからPC、Carbonまで多彩なフィラメントが使えます。最大造形サイズ305×305×605 mmで、大型の医療器具も造形可能です。0.1mmという高精度を備え、200時間以上の連続造形にも対応しています。

Raise3D E2CF(デュアルヘッド)
raise3d-e2cf ¥943,800(税込)

付与ポイント:9438ポイント

送料無料

 12位

PA12 CF、PPA CF、PPS CF、PET CF、サポート材料 330 x240 x240 mm 0.1〜0.25mm FDM(FFF・熱溶解樹脂積層方式) Wi-Fi、LAN、USB、SD card、Ethernet

「まずは、お試しで利用してみたい」という方は、3Dプリンターのレンタルを活用するのもおすすめです。以下の記事ではレンタルできる3Dプリンターについて解説しています。

3Dプリンターはレンタルできる!サービスを利用して気になる機械を試してみよう

BIZROADの「産業用3Dプリンターの販売・導入支援サービス」では、高精度のカーボンファイバー対応、人気の粉末焼結積層造形方式など、それぞれのニーズに対応できる3Dプリンターを取り揃えています。

無料相談・申し込みは以下の公式ページでご確認ください。

3Dプリンターの医療器具導入の課題点

3Dプリンターとは

3Dプリンターの医療器具導入には、いくつかの課題点が存在します。以下では、主な課題を3つ挙げてみました。

  1. 安全性・有効性
  2. コスト
  3. 患者の理解

①安全性・有効性

3Dプリンターの医療現場での本格的な導入には、安全性と有効性の課題が存在します。3Dプリンターは材料や色、機能、精度など、いくつもの制限がある中で作成されます。しかし、従来の製品と同等のクオリティは確保しなければいけません。

3Dプリンターで作った医療器具には、生体適合性や耐久性、安全性に関する十分なデータが不足している可能性があり、安全性・有効性に対するいくつかの懸念点が存在するのが実情です。

今後、検証医療現場における3Dプリンターの活用は安全性と有効性を確保し、同時に臨床試験やデータの蓄積不足などの課題も克服していくことが求められます。

②コスト

3Dプリンターの医療現場での本格的な導入には、コスト面での課題も存在します。義手・義肢などの分野では3Dプリンターによってコストを抑えられますが、高精度な造形が必要な手術支援用3Dモデルは、コスト増加が課題となっています。

さらに、臓器の内部構造を正確に表現するためには、透明な素材や複数の色を使って、臓器の内部構造を細かく表現する技術が必要です。こうした技術開発が進めば、今後、手術支援用3Dモデルのコストを削減できるでしょう。

③利用者の理解

3Dプリンターで製造された医療器具の導入における課題の一つは、利用者の理解を深めることです。

一般的に、3Dプリンター製品に対する安全性や耐久性に関する理解がまだ十分ではないため、利用者によっては不安を感じる場合があります。実際の臓器とは色や質感が異なる手術支援用3Dモデルも、その有効性について理解しにくいという声があるようです。

こうした課題に対処するためには、3Dプリンター製医療器具の特徴やメリット、デメリットを丁寧に説明し、過去の事例を示しながら十分な情報提供を行うことが求められます。

3Dプリンターの医療器具活用例まとめ

3Dプリンターによる医療器具は利用者により快適な治療環境を実現し、今後もますます拡大していくことが期待されます。

BIZROADの「産業用3Dプリンターの販売・導入支援」では、医療現場での3Dプリンター導入を検討されている方に最適な産業用3Dプリンターを提案しています。無料相談は随時受け付けているので、気になる方は以下の公式ページでご確認ください。

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