低価格で3Dプリンターを導入したくても、「低価格ならいくらで買えるのか」「安い機種でも問題なく使えるか」といった疑問を持つ人は多いでしょう。近年は、国内のメーカー公式ストアで2万円台から低価格で購入できる製品もありますが、価格だけで決めてしまうと、造形サイズや対応素材などが用途に合わない可能性があるので注意が必要です。
そこで本記事では、おすすめの低価格3Dプリンターを比較し、価格帯ごとの違いや選び方などを解説します。ぜひ3Dプリンター選びの参考にしてください。低価格帯でも選べる機種は増えているため、低価格であることだけでなく、用途に必要な機能を備えているか確認することが大切です。
低価格の3Dプリンターおすすめ6選を比較

2026年8月時点において、低価格で購入できるおすすめの3Dプリンターを紹介します。まずは、それぞれの低価格3Dプリンターの価格や特徴を比較してみましょう。
| 3Dプリンター | 価格 | 造形方式 | 最大造形サイズ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Bambu Lab A1 mini | 28,000円~ | 熱溶解積層方式 | 180×180×180mm | 全自動キャリブレーション・AMS liteによる最大4色造形 |
| Creality Ender-3 V3 SE | 31,999円 | FDM方式 | 220×220×250mm | CR Touchによる自動レベリング・自動Zオフセット |
| ELEGOO Mars 5 | 34,199円 | MSLA方式 | 143.43×89.6×150mm | 4KモノクロLCD・自動レベリング |
| FLASHFORGE Adventurer5M | 49,500円 | FFF方式 | 220×220×220mm | 完全自動レベリング・クイックリリースノズル |
| FLASHFORGE AD5X | 59,400円 | FFF方式 | 220×220×220mm | IFS搭載・最大4色のフィラメント切り替え |
| FLASHFORGE Adventurer5M Pro | 84,700円 | FFF方式 | 220×220×220mm | 完全密閉型・内部/外部循環のデュアルフィルター |
本体価格が上がるほど、単純に造形精度が高くなるわけではありません。低価格でも造形サイズや対応素材・マルチカラー対応など、必要な機能や特徴をきちんと比較することが大事です。以下、おすすめの低価格3Dプリンターについて、詳しくみていきましょう。
【2~3万円台】おすすめの低価格3Dプリンター
2~3万円台の低価格でも、FDM方式だけでなく光造形方式の3Dプリンターも購入できます。また、自動レベリングや自動Zオフセット・自動キャリブレーションなど、調整作業を補助する機能を備えた製品もあります。
Bambu Lab A1 mini
Bambu Lab A1 miniは、熱溶解積層方式の低価格3Dプリンターです。最大造形サイズは180×180×180mmで、全自動キャリブレーションを搭載しています。造形前の各種調整を自動化できるため、手作業による初期設定の負担を抑えられるのが特徴です。
また、別途AMS liteを組み合わせれば、最大4色造形にも対応できます。単色の部品や試作品だけではなく、複数の色を使った模型やデザインモデルを作るのもよいでしょう。低価格モデルで小型の造形物を中心に作りつつ、調整作業の負担も抑えたい人におすすめの3Dプリンターです。
Creality Ender-3 V3 SE

画像出典:Creality公式サイト「Ender-3 V3 SE」
Creality Ender-3 V3 SEは、FDM方式の低価格3Dプリンターです。最大造形サイズは220×220×250mmで、CR Touchによる自動レベリングと、ひずみセンサーによる自動Zオフセットを搭載しています。
造形前の調整を自動化できるため、手動で水平調整する手間を抑えられるのが特徴です。また、A1 miniよりも高さ方向を含めて、広い造形エリアを確保できます。低価格帯でも、ある程度サイズのある部品や、試作品などを作りたい場合に向いている3Dプリンターです。
ELEGOO Mars 5

画像出典:ELEGOO公式サイト「Mars 5」
ELEGOO Mars 5は、MSLA方式を採用した低価格の光造形3Dプリンターです。最大造形サイズは143.43×89.6×150mmで、6.6インチの4KモノクロLCDを搭載しています。低価格で自動レベリングにも対応しており、造形前に手動で水平調整する手間を抑えられるのが特徴です。
また、ワンクリックでセルフチェックを実行し、印刷前に主要コンポーネントの状態を確認する機能も備えています。小型の模型・パーツなどを中心に、造形を考えている人におすすめです。使用する材料や造形後の処理が異なるため、低価格でもレジンを使った光造形を取り入れたい場合の候補になる3Dプリンターです。
【4~6万円台】おすすめの低価格3Dプリンター
低価格でも4~6万円台になると、自動レベリングなどの基本的な機能に加えて、ノズル交換のしやすさやマルチカラー対応などが可能な3Dプリンターが購入できます。代表的な低価格モデルの特徴をみていきましょう。
FLASHFORGE Adventurer5M

画像出典:FLASHFORGE公式サイト「Adventurer5M」
FLASHFORGE Adventurer5Mは、FFF方式の3Dプリンターです。最大造形サイズは220×220×220mmで、完全自動レベリングを搭載しています。造形前の水平調整を自動で実行できるため、初期設定にかかる手間を抑えられるのが特徴です。
また、ワンプッシュでノズルを交換できる構造を採用しています。造形するモデルや使用条件に応じてノズルを交換しやすく、日常的なメンテナンスもしやすくなっています。低価格モデルで部品・治具・試作品などを継続的に造形しつつ、設定やメンテナンスの負担を抑えたい人におすすめの低価格3Dプリンターです。
FLASHFORGE AD5X
FLASHFORGE AD5XもFFF方式の低価格3Dプリンターで、ワンクリック自動レベリングを搭載しています。造形前の水平調整を自動化できるため、初期設定にかかる手間を抑えやすいのが特徴です。
また、多色フィラメントモジュール「IFS」を搭載しており、最大4色のフィラメントを自動で切り替えながら造形できます。単色の部品・試作品だけでなく、色分けした模型やデザインモデルを作りたい場合にも活用できる3Dプリンターです。低価格帯でもマルチカラー造形と、操作性の両方を重視する人におすすめの3Dプリンターです。
【8~10万円前後】おすすめの低価格3Dプリンター
低価格帯でも8~10万円前後まで予算を広げると、密閉構造・対応素材・フィルターなど、造形環境に関わる機能を備えた3Dプリンターも多くなります。ここでは、8万円台で購入できるFLASHFORGE Adventurer5M Proを紹介します。低価格帯の機種でも、少し予算を広げて考えたい人におすすめです。
FLASHFORGE Adventurer5M Pro

画像出典:FLASHFORGE公式サイト「Adventurer5M Pro」
FLASHFORGE Adventurer5M Proは、FFF方式の3Dプリンターで、完全自動レベリング機能を搭載しています。完全密閉型の筐体を採用しており、造形中の環境を一定に保ちやすい構造になっているのが特徴です。
また、内部循環・外部循環に対応したデュアルフィルターを備えています。PLA・PETGに加えて、ABS・ASAなどにも対応しているため、使用する素材の選択肢を広げたい人におすすめです。ある程度は低価格なだけでなく、密閉構造や造形環境も重視して選ぶ場合には、ぜひ候補に入れたい3Dプリンターです。
低価格の3Dプリンターを選ぶ際に注目すべきポイント
低価格の3Dプリンターを選ぶなら、以下のように本体価格だけを比較するのではなく、作りたいものに必要な仕様を先に整理することが大事です。低価格の3Dプリンターを比較する際、特に注目すべき3つのポイントを解説します。
- 作りたいものに合う造形方式や素材を選ぶ
- 自動レベリングなど操作を補助する機能を確認する
- 密閉構造・マルチカラーなど必要な機能に予算をかける
作りたいものに合う造形方式や素材を選ぶ
低価格の3Dプリンターは、作りたいものから逆算して選ぶことが大切です。上記の低価格モデル6機種でも、フィラメントを溶かして積層するFDM・FFF方式と、液体レジンを光で硬化させるMSLA方式が混在しています。方式が違うと、使う材料や造形後の作業・必要な周辺用品などが変わります。
また3Dプリンターを選ぶ際には、最大造形サイズと対応している素材も確認しましょう。例えばA1 miniは180mm角、Ender-3 V3 SEは220×220×250mmです。ABS・ASAなどを使う場合は、対応素材として明記されているかも重要です。
なお、3Dプリンターの造形方式については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらを参考にしてください。低価格でおすすめの3Dプリンターも紹介しています。
自動レベリングなど操作を補助する機能を確認する
自動調整機能は、高価格帯だけの機能ではありません。例えば、A1 miniは全自動キャリブレーション、Ender-3 V3 SEは自動レベリングと自動Zオフセット、Mars 5は低価格でも自動レベリングを備えています。
特に低価格の3Dプリンターは、全て手動での調整が必要とは考えずに、低価格機種の候補ごとに、搭載されている機能をきちんと確認しましょう。ベッドの水平調整やZ方向の初期設定を補助する機能などは、低価格でも導入時の調整作業を減らすために確認すべきポイントです。
密閉構造・マルチカラーなど必要な機能に予算をかける
低価格帯から少し高めの3Dプリンターの購入を考えているなら、何に費用をかけるべきか考えましょう。作りたいものに必要な機能を整理し、その機能に予算をかけることが大切です。
例えば、AD5Xは最大4色のフィラメント切り替えに対応しており、Adventurer5M Proは、完全密閉型の筐体とデュアルフィルターを備えています。一方、A1 miniもAMS liteを追加すれば、最大4色での造形ができる3Dプリンターです。
また、3Dプリンターの価格差は、単純な精度だけで決まるものではありません。マルチカラーへの対応・密閉構造・対応素材など、搭載されている機能の違いも価格に関係します。単色の試作品を中心に造形する場合は、マルチカラー機能がなくても問題ないケースも少なくありません。
3Dプリンターの選び方に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。初心者向けの低価格3Dプリンターも紹介しています。
低価格の3Dプリンターを購入する前の注意事項

実際に低価格の3Dプリンターを購入する前には、以下の点も注意しましょう。
- 本体以外にかかる費用も確認する
- フィラメントは素材に応じて保管・乾燥する
- 光造形は後処理・設置環境まで確認する
低価格で購入できる製品でも、本体価格だけで予算を決めずに、3Dプリンターの購入後に必要となる費用まで確認しておきましょう。
本体以外にかかる費用も確認する
3Dプリンターは、本体価格だけで総費用を判断しないことが大切です。FDM・FFF方式ならフィラメント、光造形ならレジンや使用材料に応じた洗浄用品などの購入費は、継続的にかかるコストとして考えなければいけません。
さらに、ノズルやビルドプレート・フィルターなども、使用状況や交換時期に応じて費用が発生します。乾燥・保管用品やマルチカラー用ユニット、洗浄・二次硬化用の機器も、用途によって必要性が変わってくるでしょう。低価格で本体を購入する場合でも、利用する上で継続的にかかる費用まで計算に入れる必要があります。
フィラメントは素材に応じて保管・乾燥する
フィラメントは、素材によって吸湿性が異なるので注意が必要です。例えば、TPUは吸湿性が高く、使用前の乾燥や密閉容器・乾燥剤を使った保管が推奨されています。
また、低価格のフィラメント式3Dプリンターを選ぶ際には、使用する予定の材料に関しても、メーカーの保管条件を確認しましょう。全てのフィラメントを同じ条件で管理するのではなく、素材ごとにメーカーが推奨している方法に合わせることが大事です。
光造形は後処理・設置環境まで確認する
低価格の光造形の3Dプリンターでも、造形後の後処理まで含めて導入を考える必要があります。例えば、造形物に付着した未硬化のレジンはきちんと洗浄し、十分に乾燥させた上で、UV光による二次硬化を行うのが一般的です。
そのため3Dプリンター本体やレジンだけでなく、使用する材料に適した洗浄液や、洗浄用品・硬化用品なども必要になります。
加えて、レジンを扱う際は、ニトリル手袋や保護眼鏡などの保護具を使用し、適切な換気や保管方法も確認しなければいけません。使用するレジンによって取り扱いの条件が異なるため、3Dプリンターの取扱説明書や安全データシート(SDS)に従って、安全な作業環境を整えましょう。
3Dプリント用データの作成ならAutodesk Fusionセミナーがおすすめ

オリジナルの部品・治具・試作品などを低価格の3Dプリンターで造形をする場合は、自分で3Dデータを作成する方法があるため、Autodesk Fusionのような3DCADソフトの活用がおすすめです。
Autodesk Fusionでは、3Dモデルを作成し、STL・3MFなどの3Dプリント用データとして書き出すことが可能です。これから操作を学びたい人は、ぜひAutodesk Fusionセミナーの受講もご検討ください。
基本操作から3Dモデリング・図面作成・3Dプリント用データの書き出しまで学べるほか、3Dモデルの設計から3Dプリント用データを作成するまでの一連の操作を体系的に習得できます。低価格の3Dプリンターで使うオリジナルデータを自作したい人におすすめです。
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| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
低価格の3Dプリンターについてまとめ
近年は、2万円台から低価格で購入できる3Dプリンターは少なくありません。ただし3Dプリンターを購入する際には、低価格かどうかだけではなく、造形方式や最大造形サイズ・対応素材に加えて、それぞれの強みや機能などを比較することが重要です。
低価格帯の製品でも搭載されている機能は異なるため、低価格で購入できることだけを基準にせず、用途に必要な性能を備えているか確認しましょう。
さらに3Dプリンター本体の価格に加えて、フィラメントやレジンなどの材料費や、交換部品にかかる費用なども計算に入れる必要があります。まずは、低価格の3Dプリンターで何を作るのか明確にした上で、必要な素材やサイズを整理し、条件を満たす機種の中から予算に合う製品を選びましょう。







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