Autodeskの3ds Maxは、3Dモデリング、アニメーション、レンダリングのためのソフトウェアです。無償版は学生や教育者向けに提供されています。その優れた機能と柔軟性は、クリエイティブな可能性を広げます。
今回はAutodesk 3ds Maxの価格と無償版の有無、メリット・デメリットを解説します。
Autodesk 3ds Maxの概要
3ds Maxは、アメリカの会社であるAutodeskによって開発、販売されている3DCG制作用のソフトです。
Autodesk 3ds Maxとは?
Autodeskの3ds Maxは、映像制作を行うプロフェッショナルが使用するための3Dモデリング、レンダリング、アニメーションソフトウェアです。
環境や風景に命を吹き込む強力なモデリングツールと直感的なテクスチャリング、シェーディングツールに定評があり、プロフェッショナルで高品質なレンダリングを実現してくれます。
アニメーションの製作はもちろん、高度な3D技術が必要とされる建築物の設計においても使用されています。
Autodesk 3ds Maxの動作環境
Autodesk 3ds Maxを使用するためには、Windows 10 64ビット版、8GB以上のRAM(16GB推奨)、Direct3D 11互換のグラフィックカードを用意しておけなければなりません。
これらの必要なものを揃えておけば自由に3D製作を行うことが可能です。
Autodesk 3ds Maxと他の3DCGソフトの比較
Autodeskの3ds Maxとよく比較されるモデリングソフトとして、MayaやBlenderが挙げられることが多いです。
それぞれのソフトウェアには独自の強みがあり、用途に応じて使い分けといいでしょう。
Mayaとの比較
Mayaは、3ds Maxと同じくAutodesk社によって開発された3Dソフトウェアであり、アニメーションとモデリングの機能に定評があります。
3ds Maxと比べるとキャラクターリギングやスキニングなどでの利用に適しており、キャラクターのリアルな動きを表現したいときに便利です。
それに対して3ds Maxは建築物や製品のデザインの視覚的表現に優れています。
Mayaに関する詳しい内容はコチラ!
またセミナーについての情報はコチラにあります。
Blenderとの比較
Blenderは無料で使うことができるオープンソースの3Dソフトウェアです。3ds Maxに比べて機能は使える機能は少ないものの、コミュニティのサポートが充実しており、3DCGモデルを始めて製作する方にも利用しやすいです。
3ds Maxは利用料金がかかることもあり、高度なモデリングで利用できます。
Blenderに関する詳しい内容はコチラ!
またBlenderのセミナーも受講可能です。
Autodesk 3ds Maxの価格
そんなAutodesk社の3ds Maxの価格はサブスクリプション制となっています。
サブスクリプションの価格
1ヶ月あたりのライセンスは36,300円(税込)、1年あたりのライセンスは286,000円(税込)、3年あたりのライセンスは815,100円(税込)です。
額面上は3年あたりのライセンスの価格が高めになっているものの、製作で長期的に使用することを考えれば、1カ月あたり約22,640円と安くなります。
無償版について
Autodesk社では3ds Maxの30日間の無償体験版を提供しています。しかし、完全な無償版は提供されていません。
学生版について
学生および大学や専門学校などの教育機関であれば、Autodeskの教育ライセンスを通じて3ds Maxを無償で利用することができます。
学生の頃からプロの制作現場で使用されているソフトウェアを無償で使用できるのは大きなメリットです。
将来的にプロフェッショナルの現場で3DCG制作を行いたい場合は、学生版を契約してみていろいろな3Dモデルの制作を試してみるといいでしょう。
インディー版について
またAutodeskはインディー版も提供しています。インディー版については1年あたり¥42,900(税込)で利用可能です。
ただし、インディー版は以下の条件を満たしている場合のみ利用できるようになっています。
- 3DCG制作で生じた年間の収入が 1,500 万円未満である
- 10 万米ドルを超えるプロジェクトでライセンスは使用不可
- 1 ユーザーもしくは 1 組織につき 1 本のライセンスだけ使用できる
Autodesk 3ds Maxでできること
Autodeskの3ds Maxは、リアルな3Dデザインやエフェクト制作などで役に立ちます。
モデリングとテクスチャリング
3ds Maxでは、リアリティの高い3Dデザインの作成に便利です。高度なモデリングとテクスチャリングツールを活用することにより、ゲームの世界や複雑な建築設計を視覚的に表現することができます。
想像でしか描けなかった壮大な風景や理想の建築物も、3ds Maxがあれば立体化が可能です。
アニメーションとエフェクト
3ds Maxは、アニメーションとエフェクトの制作に役に立ちます。これにより、リアルなキャラクターアニメーションや複雑なエフェクトの作成が可能です。
多種多様で高度なモデリングツールを使用することで、アニメーションでのキャラクターの生き生きとした動きや、躍動感のあるエフェクトを表現することができます。
VR/ARでの応用
3ds Maxは、VR/AR技術においても利用されています。
3ds maxによって、VRゴーグルやAR技術で現れた風景やキャラクターをあたかも実際に目の前に現れたかのように立体化に表現することが可能です。
インテリアであれば、3Dとして立体化に写し出せば部屋に置いたときのサイズ感や内装との調和をイメージしやすくなるでしょう。
Autodesk 3ds Maxのメリットとデメリット
そんなAutodeskの3ds Maxにはいくつかのメリット、デメリットがあります。それらを踏まえて、自分の利用目的に応じて使用することが大切です。
メリット①プラグインが豊富にある
3ds Maxは、豊富なプラグインを使用することができ、特定のタスクを自動化したり、特殊なエフェクトを追加することができます。
そのため、プログラミングがあまり得意ではない方でも、簡単に拡張機能を使いこなすことができるでしょう。
メリット②アニメーションCGの制作に便利
3ds Maxは、アニメーションCGの制作に特化したツールを提供し、質の高いアニメーション制作をサポートします。
「キャラクタースタジオ」というアニメーションCG制作用のプラグインがあらかじめ用意されていますので、契約後すぐに制作が可能です。
デメリット①MacOSに未対応
2024年3月時点では3ds MaxはMacOSには対応しておらず、Windows環境でのみ利用可能です。
MacOSしか利用できない場合は、Blenderなど他のモデリングソフトで代用する必要があります。
デメリット②有料版は価格が高い
3ds Maxの有料版は比較的高価であり、特に短期間の利用にはコストがかかります。
高度な3DCGモデルを作成してみたいけれどサブスクリプションの価格が高くて迷っている方は、まずは30日の無償体験版で試してみるといいでしょう。
Autodesk 3ds Maxについてまとめ
Autodesk 3ds Maxは、質の高い3Dモデリングやアニメーション、レンダリング機能を提供するプロフェッショナル向けのソフトウェアです。
豊富なプラグインと使い勝手のいいツールセットにより、幅広いクリエイティブな作業が可能ですが、MacOSには対応しておらず、価格も高めとなっています。
完全な無償版は提供されていませんが、学生や教育機関であれば教育ライセンスを利用することで無料で利用可能です。3ds Maxは、特にアニメーションとエフェクトの制作に適しており、プロフェッショナルな作品制作に貢献してくれるでしょう。