3Dプリンターとは、3Dデータを使って立体的なものを作る事が出来る装置です。業務用だけでなく家庭用製品も沢山出ており、ネット通販サイトでも購入出来るので、購入を検討する人も増えています。
では具体的に3Dプリンターとはどういうもので、具体的に何が出来、どういった造形方法があるのかを、おすすめの3Dプリンターと、よくある質問等と合わせていろいろ詳しく見ていきます。
3Dプリンターをわかりやすくいうと?
3Dプリンターとは3次元の設計データを基にして、立体的な物体を作成出来るプリンターの事です。
元々は家電や自動車で使われる部品の試作品を作る時に使用されていたのですが、使用される幅は広がっていき、建築関係や医療現場でも使われるようになりました。
3Dプリンターは、さらに業務用だけでなく家庭用3Dプリンターも発売され、趣味で色々なものを作りたいという人に受け入れられています。
3Dプリンターの種類が増える事で、使用出来る素材も増えてきて、ABS樹脂やPLA樹脂だけでなく、プラスティックやアクリル樹脂、さらには金属等幅広い素材を使っての作成が可能です。
3Dプリンターで出来る事とは何か
3Dプリンターは色々な事に使えます。ではどういう使い方が出来るのか詳しく見ていきましょう。
部品の試作品や破片の修復に使う
主に企業が使う業務用では家電や自動車で使用する部品の試作品を作る時に重宝します。3Dプリンターで試作品を作り、問題がないかをチェック出来ます。
また家庭用でも、例えば家電製品の部品が壊れてしまった時に、3Dプリンターを使ってその部品を作ればまた家電を使う事が可能です。
たとえば電子レンジのタイマーのつまみが折れてしまった時は、つまみ部分を作ればまた使えるようになりますし、テレビのリモコンの電池を入れる蓋が壊れてしまった時も、3Dプリンターで対応する事が出来るので便利です。
フィギュアを作る
好きな漫画やアニメのフィギュアを家庭用の3Dプリンターを使って作るという方法もあります。自分で作れば、どんな表情もポーズも可能です。市販品だと決まった表情やポーズばかりで納得出来ないという人におすすめです。
アクセサリーを作る
3Dプリンターは進化しており、使える素材も増えてきた為、自分でデザインをしてアクセサリーを作るという事も可能です。
好きな色のピアスをピアスやペンダントを作ったりする事が出来るので、自分で新たなファッションアイテムを作りたい人にも向いています。
また世界に1つしかないオリジナルのスマホーケース等も簡単に作れるので、市販品に飽きてしまったという人はチャレンジしてみると良いです。
収納用品やキッチン用品を作る
自宅の収納場所のサイズに合わせて、収納用品を作れば収納効率も上がりますし、箸置きやコップにお皿、コースターといったキッチン用品もオリジナルで作る事が出来ます。
3Dプリンターの造形方法は色々ある
3Dプリンターの造形方法は基本的に一層一層積み上げていき完成させていくという事ではどの種類も一緒ですが、造形方法の違いがあるので詳しく見ていきます。
熱溶解積層方式
熱溶解積層方式は加熱したノズルから材料を溶かし、それを吐き出しながら一層一層積み上げていくという方式です。
材料の費用も安く取り扱いもしやすいですし安全に使用出来る事から、複数ある造形方式の中では主流となっています。
ただ寸法精度が出にくかったり、出来上がりの表面も粗さがあるという点もあります。
光造形方式
液状の樹脂に紫外線を与える事で樹脂が固まり、その作業を繰り返すことで立体物を作っていくという方式です。
液体樹脂を使っている為、より細かい造形物が作れ、表面もきれいに仕上げられるというのが特徴です。
その一方で立体物を完成させるまでの時間がかかったり、材料も安くないので量産には向きません。
インクジェット方式
インクジェット方式は、インクジェットヘッドから噴射した樹脂を紫外線で固めて立体物を作るという方式です。
光造形方式と同様液状のものを使っている為、カラーで高精度な作品を作る時に向いています。
ただ耐久性がなく紫外線にも弱い為、日光に完成した立体物を当てると硬化し形が変わってしまう事もあり、長期保存したいものには向いていません。
粉末燃結方式
粉末燃結方式は主にナイロン等の材料を粉末状にし、それをレーザー光線で照射し燃結させて立体物を作るという方式です。
ナイロン以外に金属等も使用する事が出来ます。耐久性もあり、細かいものや複雑な造形物にも対応する事が出来るというのが特徴です。
粉末固着方式
粉末固着方式は主に石膏等の材料を粉末状にして、それを敷き詰めてヘッドから吐き出された接着剤で立体物を固めて作っていくという方式です。
粉末に着色する事により、より細かい色の表現も出来ます。造形スピードは速いですし、材料も安く済ませられるというのが魅力ですが、石膏が原材料なので落としたりすると壊れてしまう恐れがあり、完成した立体物の取り扱いには注意が必要です。
おすすめの3Dプリンター4選
おすすめの3Dプリンターがいくつかあるので詳しく見ていきます。
Adventurer3
FLASHFORGE社のAdventurer3は、コンパクトで重さも10キロ以下のいわゆる3Dプリンターエントリータイプの製品です。
価格も49500円と5万円以下で購入する事が出来ます。本体には2.8インチのタッチパネルがついており、日本語対応もしているので英語が苦手な人も安心です。
ノズルはワンプッシュで取り外し可能なので、目詰まりの時や交換する時も簡単です。
またフィラメント検出機能がついており、作業中にフィラメントが不足してしまっても、一時停止してフィラメントをつぎ足しする事で、作業を再開する事が出来ます。
造形サイズも最大で150ミリまで作る事が出来、稼働音も45デシベルと静音というのも魅力です。
造形マテリアル | PLA、ABSなど |
最大造形サイズ | 150×150×150 mm |
積層ピッチ | 0.05mm~0.4mm |
Raise3D
Raise3Dは業務用の3Dプリンターシリーズです。価格は50万円台から150万円を超えるものまで幅広くあり、自分の用途に合わせて選ぶ事が出来ます。
造形精度の高さはトップクラスで、0.1ミリからの寸法精度が魅力です。
また3Dプリンターは長時間使用し続けていると機械の安定性に問題が出てくる事があります。
しかしRaise3Dは長時間の造形も可能で、200時間以上の作業も安定的に出来るというのが特徴です。他にも小さな立体物であれば、同時に複数個作る事も出来ます。
他にもタッチパネルがついているので簡単に設定変更が出来ますし、作業の進行状況も把握出来、完成まであとどれ位かかるかというのもすぐに分かります。
そして色々なフィラメントに対応しているというのも大きな特徴ですし、独自開発のソフトウェアを採用しているので、初心者から上級者まで幅広く使えるというのも魅力です。
あと日本代理店によるアフターサポートも充実しており、電話や24時間メールも受け付けているので何か分からない事があっても心配はいりません。
造形マテリアル | T-PLA、T-ABS、PETG、PTG、Polyflex、カーボン、木質、etc |
最大造形サイズ | 300×300×300 mm |
積層ピッチ | 0.01〜0.65mm |
UP300 3Dプリンターセット
Tiertime社のUP300 3Dプリンターセットは、色々な素材が使える大型3Dプリンターで価格は約44万円程です。使用する素材ごとに専用ノズルを持っているので、色々な樹脂に対応できるというのが魅力です。
複数の素材に対応する為に、高温フィラメント用や低温フィラメント用、フレキシブル用等、交換出来る複数のヘッドが搭載されています。
また付属するソフトウェアは難しい操作もなく、覚える事もほとんどないので初心者でも簡単に使えます。
造形マテリアル | ABS樹脂・PLA樹脂・TPU その他 |
最大造形サイズ | 255×205×225 mm |
積層ピッチ | 0.05〜0.40mm |
UP Plus2 3Dプリンターセット
Tiertime社のUP Plus2 3Dプリンターセットは、シンプルで軽量でありながら高品質の出力が特徴の3Dプリンターで、価格は約19万円程です。
コンパクトサイズの3Dプリンターの中ではトップクラスの性能を持ち、高品質な出力と使いやすさ、そして安定感は大きな魅力です。
高さと水平度を自動調整してくれるので、安定した完成度を持っています。また出来上がった造形物を土台部分から簡単に取り外せるので、初心者にもおすすめです。
造形マテリアル | ABS、PLA |
最大造形サイズ | 14×14×13 cm |
積層ピッチ | 0.15〜0.40mm |
3Dプリンターに関するよくある質問とは
3Dプリンターに関するよくある質問とはどういうものなのか見ていきます。
3Dプリンターで3Dデータを作る事は出来ますか?
基本的に3Dプリンターは、3Dデータを取り込んで立体物を作る装置なので、3Dデータを作る事は出来ません。
3Dデータを作る場合は、3Dスキャナーや3DCAD等の機器やソフトが必要です。
Q.フィラメントとは何ですか?
A.フィラメントとは3Dプリンターでデータを出力する時に使う材料の事で、ABS樹脂やPLA樹脂等があります。
いわゆるプリンターにおけるインクのようなもので、フィラメントには純正品以外に他社が作る汎用品もあります。
Q.フィラメントは純正品以外を使っても問題ないのですか?
A.基本的に純正品以外を使っても問題はありません。
しかしその場合純正品メーカーの保証対象外となり、何かあった時も自己責任となってしまいます。その為品質にこだわる人は純正品を使った方が良いです。
Q.電気代が心配です。どれ位かかりますか?
A.3Dプリンターを使用する時の電気代は、使用ワット数を見れば換算する事が可能です。
例えば200ワットだと、1時間使用して約5.4円程、90ワットだと1時間当たり約2.4円となっています。
Q.3Dプリンターの消耗品とは具体的にどういうものですか?
A.3Dプリンターの消耗品は主にフィラメントやノズルにノズルヒーター、あとプラットフォーム等が挙げられます。
特にフィラメントが立体物を作る材料なので一番消費します。
Q.3Dプリンターはどこに置けばよいのですか?
A.3Dプリンターの設置場所は基本的にはどこでも良いのですが、プリンターが作業中に振動する事もあるので、出来るだけ安定した台の上が良いです。
設置場所が安定していないと、振動により精度に影響が出る事もあるので、不安定な場所に設置するのはやめた方が良いです。
3Dプリンターは自身に合うものを選ぶと良い
3Dプリンターといっても業務用や家庭用も含めて種類が沢山あります。
また造形方式も色々あり、値段も違います。作れる立体物の大きさも変わってくるので、用途に合わせて価格も相談しながら、自分に合ったものを選ぶという事が重要です。