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家を3Dプリンターでつくる時代が到来!?メリットや課題点を解説

家を3Dプリンターでつくる時代が到来!?メリットや課題点を解説

3dプリンターの技術を活用して様々な物が生み出されている時代、3dプリンターで家を作ることも可能になっているのをご存じでしょうか。

この記事では、3dプリンターで作った家の実例をご紹介し、3dプリンターで家を作るメリットや課題にも言及します。

3Dプリンターの家はあるの?

3Dプリンターの家はあるの?

3dプリンターで家を建てることは、決して夢物語ではなく、3dプリンターの高度な技術を生かせば現実的に3dプリンターを建てることが可能です。
3dプリンターの家の建て方や実例を解説しましょう。

3dプリンターの家はどうやって建てるの?

3dプリンターの家を建てる方法には、大きく分けて2つのパターンが挙げられます。

  1. 1つめの方法は、3dプリンターを設置した工場で家を組み立てるためのパーツを印刷し、印刷したパーツを建築現場に運んで家を建てる方法です。
  2. 2つめの方法の場合、家を建てる現場に直接3dプリンターを運び込んで、その場で3dプリンターで家のパーツを印刷し、パーツを使って家を建てる作業を行います。

日本初の3dプリンターの家「Sphere(スフィア)」

3dプリンターの家に関しては、海外のみならず、国内にも3dプリンターの家を手掛けているハウスメーカーが存在します。

日本初の3dプリンターの家として一躍注目を集めたのが、兵庫県西宮市に本社を置くセレンディクス株式会社の「Sphere(スフィア)」モデルです。

英語で球体を意味するSphereから名付けられた家で、独特の球体型が目を引くスタイリッシュなデザインが特徴です。
高性能な建設用3Dプリンターを駆使することで、30坪300万円という低コスト、わずか24時間という短時間で家を建てられるところは、「Sphere」ならではの魅力となっています。
主にグランピングや別荘向けに作られた住宅であり、災害復興住宅としてのニーズにも応えられる点が高く評価されています。

汎用性のある一般住宅として開発された「Fujitsubo」

セレンディクス株式会社が手掛けた3dプリンターの家は、「Sphere」だけではありません。
3dプリンターの家「Fujitsubo」モデルは、「Sphere」モデルの発表後、一般住宅を求めるユーザーの声に応えて誕生しました。

「Sphere」とは異なり、終の棲家にも適した一般住宅として開発されたのが「Fujitsubo」モデルです。
セレンディクス株式会社と3dプリント技術の権威である慶應義塾大学環境情報学部教授の田中浩也教授が共同開発を行ったモデルであり、一部に鉄骨造を取り入れた構造になっています。

広さに関しては、延床面積約10m²の「Sphere」モデルのおよそ5倍にあたる50m²を有しています。
竣工時間に関しては、48時間以内での竣工が可能で、愛知県小牧市の施工地では44時間30分で家が完成しました。
「Fujitsubo」モデルの販売予定価格はおよそ550万円です。

海外の3Dプリンターで作った家

国内での3dプリンターの家を紹介したところで、海外の3dプリンターで作った家もご紹介しましょう。

中国北部の農村部に建つ延床面積106平方メートルの3dプリンターの家

巨大な建設用3dプリンターを使って延床面積106平方メートルの3dプリンターの家を建てることに成功したのが、中国の清華大学建築学部の教授を務める徐偉国氏です。
3dプリンターの家は、2022年の冬季五輪の共同開催地にあたる張家口市五家庄村の農村地帯に建てられています。

繊細な織り模様の装飾が見事なコンクリートの外壁を持ち、内装にはスタイリッシュな吹き抜け空間が設けられているのが特徴です。
3つの個室に、キッチンとトイレを備えた実用性の高い間取りの住宅で、3dプリンターの家の可能性の広さを示す家として評価されています。
延床面積106平方メートルの十分な広さを持つ家が、3dプリンターの技術を生かすことで、2週間という短い工期で完成しました。

サウジアラビアの首都近くに建つ3階建ての3dプリンターの家

つづいて紹介するのは、サウジアラビアの首都ニアドのほど近くに建つ3dプリンターの家です。
「シャムス アル リヤド」の都市開発の一環として、不動産会社の「Dar Al Arkan」が開発を手掛け、 COBOD社の3dプリンターを活用して家が建てられました。

3dプリントのできるコンクリート材を使って家の組み立てに使う全ての壁を印刷して作り上げたもので、建物面積は345平方メートルにも及びます。
建物の全高は9.9mで、現場で3dプリンターを使って印刷したパーツで組み立てた家の中では世界一の高さを誇るのが特徴です。
家の1階にはリビングとキッチン、トイレ、2階に2つのバスルームやリビング、バルコニーがあります。
3階にはランドリールームやバスルーム付きのメイドルームが備えられていて、充実した機能を持つ間取りの家として支持されています。

家を3Dプリンターで作るメリット

家を3Dプリンターで作るメリット

3dプリンターで家を作ることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

低コストで家が建築ができる

3dプリンターで家を作る大きなメリットとして挙げられるのが、低コストで建築ができるという点です。
一般的には、住宅を建てるのに必要な建材を建築現場まで運ぶのに、多大な運搬費や人件費が掛かります。
3dプリンターを使ってその場で家を作るパーツを印刷する方法であれば、資材の運搬に掛かるコストを削減し、効率よく家を建てることができるのです。

また、3dプリンターの家で使用する材料は、コンクリートやバイオセメントといった安定した価格で手に入る材料が中心です。
価格が変動しやすい木材を使用する必要がないため、時期を問わず低価格での建築がしやすく、コストカットにつながります。

短期間で家が建築ができる

短期間で建築ができるという点も、3dプリンターで家を建てるメリットです。人手を使って家を建てる場合、24時稼働で作業を行うことは不可能です。
一方で、3dプリンターを使う方法であれば、機械を24時間休みなく稼働させて作業を行うこともできます。
早ければ数時間程度、長くとも数週間程度で家を建てる作業を完了させることができるのは、3dプリンターを使う大きなメリットと言えるでしょう。

短期間で建築可能なことから、災害復興住宅に活用しやすい住宅としても3dプリンターの家は注目されています。

高いデザイン性を持つ家が建築できる

3dプリンターの家のメリットとしては、高いデザイン性を持つ家を建てやすいという点も挙げられます。
コンクリートの細かな層を重ねて作る3dプリンターの家では、複雑な曲線を持つデザインも巧みに作り上げることが可能です。

曲線を多用する住宅であれば、土地を余すことなく生かせる家を設計できるため、狭い土地を活用した狭小住宅を設計する上でも、3dプリンターの家は評価されています。

3Dプリンターの家の課題点

3Dプリンターの家の課題点

多様なメリットを持つ3dプリンターですが、デメリットや課題点があるのも事実です。
3dプリンターの家が抱える課題点をご説明しましょう。

耐震性が不十分である

3dプリンターの家の課題点として挙げられるのが、耐震性が足りないという点です。
建築基準法の基準を満たす住宅として3dプリンターが広く普及するには、まだまだ課題があるのが現状と言えます。

住宅を建てる際に耐震性を高めるには、建物の内部に鉄筋を入れて建築する方法が一般的です。
コンクリートの層を重ねて建てる3dプリンターの家では、鉄筋を入れるのが難しく、建物の耐震性を高めるのが困難であるという点は、課題点としてしっかり認識しておきましょう。

設備の設置にコストが掛かる

3dプリンターの家は、実際に暮らすために必要な住宅設備を設置するのにコストが掛かってしまうという点も、課題点です。

家自体の建築費用は低コストで済ませられるものの、電気やガス、水道といったライフラインを確保するために、配管や配線を別途行うことが求められます。
住宅設備の設置に時間や手間が掛かり、費用負担も発生してしまう点には、十分に注意しておくことが必要です。

3Dプリンターの家まとめ

3dプリンターの家は、海外のみならず日本国内でも実際に建てられている例がみられます。
短期間で低コストで建築できるのが大きな魅力である一方で、耐震性が不十分である、設備の設置にコストが必要、といった課題点も複数あるのが現状です。

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