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話題の3Dプリンター住宅とは?メリット・デメリットなどを詳しく解説

建築業界で新しい技術として注目されているのが、3Dプリンター住宅です。リーズナブルな価格で建てられることから、マイホームに興味がある人に大人気です。

ここでは、3Dプリンター住宅とは何か、メリット・デメリットなど詳しい情報を説明していきます。

3Dプリンターで作られた住宅とは?

3Dプリンターで作られた住宅とは?

3Dプリンター住宅というのは、文字通り、3Dプリンターで印刷して建てられた住宅のことを指します。

主に2つの工法があり、ひとつ目は工場で住宅のパーツを3Dプリンターで製造した後、建設現場に運んで組み立てていく工法です。

そして、2つ目は住宅を建てる現場に3Dプリンター本体を運び込んで、そこでパーツを作って建築していくものです。

スピーディーに建てられることから、災害発生時の仮設住宅やホームレス用の住宅としての活用を将来的に期待されています。
ただ日本の場合、3Dプリンター住宅は耐震性や耐火性など建築基準法が定める強度を満たしていません。したがって、住宅として導入することができないのが現状です。

3Dプリンター住宅は何で作られている?

3Dプリンター住宅はモルタルやコンクリート、繊維コンクリート、ポリウレタンなどで作られていますが、材料の90パーセント以上はコンクリートです。

3Dプリンター住宅のメリット

話題の3Dプリンター住宅ですが、以下のようなメリットがあります。

メリット①:建築費用が低価格に抑えられる

3Dプリンター住宅のメリットは、建築費用が低価格に抑えられる点が挙げられます。
通常の建築工法の場合、工場から壁や柱などに使われる資材を運搬する必要があります。その点、3Dプリンター住宅の場合、3Dプリンターを現場に運んでその場でパーツを作ることが可能です。
重量のある資材をいちいち運ぶ必要がないので、運搬費や人件費を大幅に抑えることができるのです。したがって、一般的な工法の住宅と比較すると、3Dプリンター住宅は大幅に建築コストを抑えられます。

さらに、3Dプリンター住宅の主な材料はバイオセメントやコンクリートなので木材を仕入れる必要がありません。
通常、住宅を建築するに当たり、木材の存在が不可欠だと言えます。しかし、木材は需要が高まって不足してしまうと価格が高くなりやすいです。
一方、3Dプリンター住宅であれば木材をそれほど使わないので、木材市場に左右されることがありません。木材価格の高騰の影響を回避しながら家を建てられるので、価格を抑えられるということです。

メリット②:短い建築期間で家が建つ

建築期間が短いということも3Dプリンター住宅のメリットと言えるでしょう。
そもそも3Dプリンターは機械なので、24時間にわたって休むことなく稼働させることができます。
そのため、早くて数時間、あるいは数日で建築することが可能です。

一方、人間の力で住宅を建設する場合、一日中働き続けるということは不可能です。ずっと働き続けると疲れを感じてしまい、集中力が持続しなくなってしまうからです。
3Dプリンターを使えば建築期間を大幅に短縮できるので、災害で家をすぐに欲しい人の仮住まいとして将来的に期待されています。

メリット③:デザイン性の高い建築物を造れる

3Dプリンター住宅は、デザイン性の高い建築物を造ることができる点もメリットだと言えます。
材料となるコンクリートを一層ずつ積み重ねる建築工法であるため、3Dプリンター住宅は曲線など形状が複雑な住宅の建設を得意としているからです。
また、狭い土地でも曲線を多用することで、オシャレな住宅を建築できます。

一般的な建築工法だと、曲線が活用された住宅はほとんど建てられることがありません。というのも、職人の技術に頼ることが多い上に時間やコストがかかってしまうからです。
その点、3Dプリンターならば設計図通りに精巧に仕上げられます。
よって、家を建てられる面積が限られている場合、オシャレなデザインの家を希望している人に3Dプリンター住宅はうってつけです。

3Dプリンター住宅のデメリット

3Dプリンター住宅にはメリットがある反面、デメリットも存在します。

デメリット①:耐震性が十分ではない

3Dプリンター住宅のデメリットというと、建築基準法に対応していないケースが多いことが挙げられます。

従来の建築方法ではコンクリート造りの住宅の場合、強度を高めるために壁の内部に鉄筋を入れる必要があります。
しかしながら、現在のところ、3Dプリンターではコンクリートで形を積み上げていくことはできますが、鉄筋を入れることができません。
日本といえば地震が発生することが非常に多いので、安心して生活するためには大きな地震にも耐えられる強固な基礎が不可欠です。
ただ3Dプリンター住宅では鉄筋を入れることができないので、建築基準法に対応しきれていないというわけです。

すなわち、現状、耐震性が十分ではないので、一般の住宅を建築することができません。

デメリット②:住宅設備の設置にコストがかかる

3Dプリンター住宅は、電気やガス、給水や排水などの住宅設備に対応していないのもデメリットと言えるでしょう。
電気やガスなどの設備を設置するに当たり、壁に穴を開ける、配管や配線を行うなどの細かい作業を行わなければいけません。
すべて職人の手に頼らなければいけないので、その分、時間と手間がかかるのがデメリットです。

3Dプリンター住宅の耐用年数は?

3Dプリンター住宅の耐用年数は、木造住宅より短いと言われています。
その理由は、現時点で建築基準法が定めている耐震性や耐火性を十分に満たす3Dプリンター住宅はそれほど多くないからです。
ただ今後の技術開発によって、3Dプリンター住宅の耐用年数が長くなる可能性はあります。

3Dプリンター住宅の実例

実際に3Dプリンターで建てられた住宅はどんなものがあるのでしょうか。実例を見ていきましょう。

中国北部の河北省に建てられたコンクリート製の3Dプリント住宅

中国北部の河北省に建てられたコンクリート製の3Dプリント住宅
出典:https://idarts.co.jp/3dp/3d-printed-house-rural-area/

中国の清華大学建築学部の徐偉国教授が、2022年に開催された冬季オリンピックの共同開催地である張家口市五家庄村に3Dプリンター住宅を建てました。
吹き抜けの天井、オシャレな織り模様が装飾されたコンクリート外壁で構成されているのが特徴的です。住宅の建設は、たった2週間で完了しました。

サウジアラビアの不動産開発会社「Dar Al Arkan」 による3Dプリンター住宅

サウジアラビアの不動産開発会社「Dar Al Arkan」 による3Dプリンター住宅
出典:https://news.sharelab.jp/cases/construction/saudi-arabia-cobod-230418/

サウジアラビアの不動産開発会社である「Dar Al Arkan」 が、3階建てのスマートホームヴィラをサウジアラビアの首都リアドに近い場所に建設しました。
3Dプリントが可能なコンクリート材料で建物のすべての壁をプリントしました。

住宅の1階には、リビングルームやキッチン、トイレ、2階には2つのバスルーム・リビングルーム・バルコニーが完備されています。また、3階には浴室付きのメイドルーム、ランドリールームもあるのです。
現場で3Dプリントされた建物の中で世界一の高さだと注目されています。

「セレンディクス」の3Dプリンター住宅

「セレンディクス」の3Dプリンター住宅
出典:https://www.atpress.ne.jp/news/364097

兵庫県西宮市にある「セレンディクス株式会社」は、車を買う値段で家を買える家の開発を進めている3Dプリンター住宅メーカーです。
「セレンディクス」は、2022年3月に日本初となる3Dプリンター住宅を愛知県小牧市に建築しました。
鉄筋コンクリート造りの球体の住宅で、ヨーロッパ基準の断熱性能をクリアした二重構造となっています。
施工を始めてわずか23時間12分で住宅の建設が完了したことで、一躍注目されました。

3Dプリンターで作られた住宅とは? まとめ

住宅を建てるに当たって、数千万円のお金がかかるのが一般的です。
しかしながら、3Dプリンター住宅の場合、かなりの低価格で家を建てることが可能です。
3Dプリンター住宅はとても魅力的なので、これからの技術開発が期待されます。

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