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3Dプリンターでフィギュア制作

【2025】3Dプリンターでフィギュアを制作する流れ!必要なものやポイントも解説

3Dプリンターを使うと、さまざまなものの造形を楽しめます。そのなかでも、フィギュア制作に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。しかし、フィギュア制作では、データ作成からプリント、後処理までの各工程でポイントがあります。

そこで、本記事では3Dプリンターの基本知識やフィギュア制作時のポイントを解説します。初心者でも安心して取り組める内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

3Dプリンターとは

3Dプリンターとは、デジタルデータをもとに立体物を作る装置です。まずは、3Dプリンターの基本的な知識を習得できるように次の点を解説します。

  1. 3Dプリンターの強みと欠点
  2. 3Dプリンターでフィギュアを制作するのは違法?
  3. 3Dプリンターで作ってはいけないものは?

以上の点を正確に把握して、3Dプリンターでフィギュア制作を進めてください。なお、3Dプリンターの基礎知識を習得したい場合は、次の記事もぜひご覧ください。

3Dプリンターとは? 基本の造形方式と活用法を解説

①3Dプリンターの強みと欠点

3Dプリンターの強みは、複雑な形状でも簡単に作れる点です。従来の製造方法では難しい内部構造や曲線も自由自在に作れます。
また、少量生産や試作品づくりに適しており、個人でも手軽に扱えるでしょう。

一方で、大量生産には向いていないという欠点もあります。積層して造形するため時間がかかり、大量生産にはコストがかかります。

さらに、素材によっては強度が不足したり、表面が粗くなったりします。そのため、大量生産品や高い強度が求められる部品には不向きでしょう。

②3Dプリンターでフィギュアを制作するのは違法?

結論からいうと、自分で楽しむ範囲なら違法ではありません。好きなキャラクターのフィギュアを個人的に作成し、自宅で飾る程度なら問題ないでしょう。

ただし、それを販売したりネット上で公開したりすると著作権侵害に該当する場合があります。キャラクターやデザインには著作権や商標権があり、無断使用は禁止されています。そのため、趣味として楽しむ場合でも、SNSへの投稿などは控えた方が安全でしょう。

なお、3Dプリンターで作れるものについては、次の記事でも解説しています。あわせてご覧ください。

【2025】3Dプリンターは何に使う?使い方や作れるものを紹介

③3Dプリンターで作ってはいけないものは?

法律上禁止されているものを作ると犯罪になります。具体的には以下が挙げられます。

  • 拳銃など武器類
  • 偽札・硬貨
  • 公的な記章 など

これらは製造だけでなく所持するだけでも逮捕される可能性があります。

また食品衛生法に抵触する食器類なども許可なしに製造することも避けましょう。フィギュア制作に付随して、法律で禁止されているものを作らないように注意してください。

3Dプリンターでフィギュア制作するときに必要なもの

3Dプリンターでフィギュア制作するときに必要なもの

3Dプリンターでフィギュアを制作するときは、次のアイテムをそろえましょう。

必要なもの 使用用途
3Dプリンター本体 フィギュア制作には細かい造形が可能な光造形方式が適している
造形材料
  • 光造形ならレジンを使用
  • FDM方式ならフィラメントを使用
パソコン 3Dデータ作成やプリンターへのデータ転送に必須
スライサーソフト 作成した3Dデータをプリント用データに変換するソフト
後処理用工具 ニッパーやヤスリなど
塗装用品 塗料や筆、エアブラシなどで完成度を高める
安全用品 手袋やマスクなど、安全に作業するために準備

上表で取り上げたアイテムを用意することで、スムーズなフィギュア制作につながります。

なお、3Dプリンターは多岐にわたるので、どれを選べばよいか、迷ってしまうもです。次の記事では、できるだけ低価格で高精度な3Dプリンターを紹介しています。製品選びに迷っている場合は、ぜひ参考にしてください。

【2025】低価格で高精度なおすすめ3Dプリンター9選!選び方や注意点も紹介

3Dプリンターでフィギュアを制作する流れ

3Dプリンターでフィギュアを制作する流れ

3Dプリンターでフィギュアを制作する際は、次の流れに沿って進めましょう。

  1. コンセプトを決定する
  2. フィギュア制作に必要なデータを作る
  3. オリジナルフィギュアのモデリングをする
  4. 3Dモデルを調整する
  5. スライサーソフトで設定する
  6. 3Dモデルをプリントする
  7. 出力後の後処理や仕上げをする

各工程について、解説していきます。

①コンセプトを決定する

まずは作りたいフィギュアのイメージを明確に決めましょう。具体的にはキャラクターのポーズや表情、衣装など細かな部分まで考えます。この段階でしっかりとイメージを固めておくと、あとの作業がスムーズです。

また、フィギュアが自立できるかどうかも意識するといいでしょう。複雑なポーズは魅力的ですが、安定性が悪く倒れやすくなります。そのため、初心者は座ったポーズやシンプルな立ち姿から始めるのがおすすめです。

②フィギュア制作に必要なデータを作る

次にフィギュア制作に必要な3Dデータを準備します。データの作り方には、自分でゼロから作成する方法と既存データを使う方法があります。

オリジナルフィギュアなら、3DCGソフトやCADソフトで一からモデルを作ります。一方、既存キャラクターならダウンロードサイトから入手できる場合もあります。また、実物を3Dスキャナで読み取りデータ化する方法もあります。どの方法でも、3Dプリンター出力用に調整が必要です。

フィギュア制作に必要なデータの作成については、「フィギュア制作時のデータの作り方」の章で詳しく解説していますので、ぜひ読み進めてください。

③オリジナルフィギュアのモデリングをする

オリジナルフィギュアの場合、自分でモデリング(立体造形)します。モデリングには専用ソフトが必要ですが、無料で使えるものも多くあります。初心者にも扱いやすいソフトとしてはBlenderなどが人気です。

手順として、まずは大まかな形状を作り、その後細部のディテールを追加していきます。髪型や服装、小物など細かな部分まで丁寧に仕上げると完成度が高まります。この工程は時間がかかりますが、自分だけの作品ができる楽しさがあるでしょう。

④3Dモデルを調整する

完成したモデルは、そのままではプリントできない場合があります。プリント時に失敗しないように調整する工程が必要です。具体的には、薄すぎるパーツや空洞部分を埋めたりします。

またパーツごとに分割すると塗装や組み立てが楽になります。さらに重心位置も確認し、倒れないように調整しましょう。この段階でしっかり調整しておくと、後々の失敗を防げます。

⑤スライサーソフトで設定する

3Dモデルはそのままではプリンターで出力できません。そこでスライサーという専用ソフトで設定します。スライサーではモデルを薄い層に分割し、プリント用データに変換します。
ここでは積層ピッチ(層の厚さ)や造形速度など細かな設定が可能です。

ただし、積層ピッチが細かいほど滑らかな仕上がりになりますが時間もかかります。用途や目的によって最適な設定を選ぶことが大切です。

⑥3Dモデルをプリントする

スライサーで設定したデータを使って実際にプリントします。プリント前には必ず機器の調整や材料の準備を行います。特に造形台(ベッド)の水平調整は重要ですので丁寧に行いましょう。

また、プリント中は高温になるため、安全管理にも注意してください。そのため、初めての場合は小さなテスト造形から試すと安心でしょう。

⑦出力後の後処理や仕上げをする

プリントしたばかりのフィギュアはまだ完成ではありません。サポート材という支え部分が付いているため、それらを取り除きます。ニッパーなど工具で慎重に外し、その後ヤスリで表面を滑らかにしていきましょう。

さらに、塗装やコーティング剤で色付けすると、一気に見栄えが良くなります。細部までこだわって仕上げると、自分だけの素敵な作品になります。

フィギュア制作時のデータの作り方

フィギュア制作時のデータの作り方

ここからは、フィギュア制作時のデータの作り方を紹介します。

データ作成方法 概要・特徴 おすすめな人
3DCADで作る 寸法や形状を正確に設計でき、工業製品的な造形が得意
  • 精密な設計をしたい人
  • メカ系フィギュアを作りたい人
3DCGで作る 自由度が高く、柔らかな曲線や複雑な造形が可能 キャラクターや生物など芸術的なフィギュアを作りたい人
3Dスキャナで作る 実物をスキャンして手軽にデジタル化できる 自分の手作り原型や既存フィギュアを再現したい人
ダウンロードサイトのデータで作る ネット上から既存のモデルデータを利用できる 手軽にフィギュア制作を試したい初心者や時間がない人

自分のスキルや制作目的に応じて、最適な方法を選びましょう。

①3DCADで作る

3DCADは、寸法や形状を正確に設計するためのソフトウェアです。工業製品の設計にも使われるため、精密なデータ作成が得意です。フィギュア制作では、シンプルな形状やロボットなど直線的なデザインに向いています。

具体的にはFusion360やTinkerCADなどが代表的なソフトで、初心者でも扱いやすいでしょう。CADは寸法管理がしやすいので、パーツ分割や組み立てを意識した設計にも適しています。

なお、3DCADについて知識やスキルを習得したい場合は、次の講座がおすすめです。初学者でも短期間でBIMや3DCADについて学べます。実践が多い講座となっているので、実務にも活かしやすい点が特徴です。3DCADについて学習したいときは、ぜひ、こちらの講座を受講してください。

セミナー名BIM・建築 3DCAD Revitセミナー講習
運営元ProSkilll(プロスキル)
価格(税込)41,800円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング

②3DCGで作る

3DCGは、自由度が高く柔らかな曲線や複雑な形状を得意とします。そのため、キャラクターや生物などのフィギュア制作に最適です。BlenderやZBrushなどのソフトがあり、特にZBrushはスカルプトモデリングに優れています。

スカルプトモデリングでは粘土をこねるような感覚で形状を作れます。CGソフトは直感的に操作できるものが多く、芸術的な造形を目指す人に向いています。

3DCGでデータを作りたい方は、次のセミナーがおすすめです。こちらのセミナーでは、短期間で3DCGについて学べるのが特徴です。未経験者でも受講でき、受講形式も選べるため、どなたでも学習できます。3DCGについて学びたい場合は、ぜひセミナーを受講してください。

セミナー名Blender基礎セミナー
運営元ProSkilll(プロスキル)
価格(税込)27,500円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング

③3Dスキャナで作る

3Dスキャナは、実物をデジタル化するための機器です。既存の物体をそのまま3Dデータ化できるため、手軽さが魅力です。たとえば、自分で作った原型や既存のフィギュアをスキャンして再現できます。

IREAL 2Eなどのハンディ型スキャナは扱いやすく、高精度なデータ化が可能です。ただし、スキャン後にはデータ調整が必要になる場合もあります。

④ダウンロードサイトのデータで作る

ダウンロードサイトでは、多くの3Dモデルデータが公開されています。ThingiverseやCGTraderなどでは無料・有料でさまざまなモデルが手に入ります。既存キャラクターや装飾品など、自分でモデリングする時間がない場合に便利です。

ただし、著作権には注意が必要です。他者の作品を無断で使用することは禁じられているため、利用規約を確認し、適切に活用しましょう。

3Dプリンターでフィギュア制作をするポイント

3Dプリンターでフィギュア制作をするポイント

3Dプリンターでフィギュア制作をする際は、次の点に注意しましょう。

  1. パーツ分割を工夫する
  2. 空洞ができないように工夫する
  3. 造形時は換気と安全管理を徹底する
  4. 塗装を考慮したモデル設計を行う
  5. モデルデータの厚みと強度を確認する

特にデータの設計やプリント時の工夫が仕上がりに影響します。

①パーツ分割を工夫する

フィギュア制作では、パーツ分割が非常に重要です。これは、全体を一体型でプリントすると、塗装や後処理が難しくなる場合があるからです。たとえば、腕や頭などの部位ごとに分割すると、細かい部分も塗装しやすくなります。

また、分割する際には接合部にダボ(凸凹)を設けると組み立てが簡単になります。さらに、大きなフィギュアは分割することでプリント失敗のリスクを減らせます。

②空洞ができないように工夫する

モデル内部に空洞があると、プリント時に問題が発生しやすいです。特に光造形方式では未硬化のレジンが残り、強度不足や液漏れにつながります。FDM方式でも空洞部分が原因で造形物が壊れることがあるでしょう。

そのため、データ作成時には内部を埋めたり、適切な厚みを持たせる必要があります。特に細長いパーツは空洞による弱点になりやすいので注意しましょう。

③造形時は換気と安全管理を徹底する

3Dプリンター作業では、安全面にも配慮する必要があります。たとえば、光造形方式ではレジンから有害な臭いや揮発性物質が発生する場合があります。そのため、作業場所は必ず換気の良い環境を選びましょう。

また、高温になるノズルや造形台に触れると火傷の危険があります。手袋やマスクなどの安全用品を使い、安全管理を徹底してください。

④塗装を考慮したモデル設計を行う

塗装作業をスムーズに進めるためには、モデル設計時から工夫が必要です。たとえば、衣服の境界線や模様部分には段差をつけておくと塗り分けしやすくなります。

また、小さすぎるディテールは塗料が入り込まないこともあるため注意しましょう。塗装後の仕上がりまで考えた設計を行うことで完成度が高まります。

⑤モデルデータの厚みと強度を確認する

モデルデータの厚みと強度は、フィギュア制作成功のカギです。薄すぎるパーツはプリント中に破損したり、完成後に壊れやすくなります。特に髪の毛や衣服の端など細かい部分は十分な厚みを持たせてください。

また、強度不足になりそうな箇所には補強構造を追加すると安心でしょう。

3Dプリンターでフィギア制作のまとめ

3Dプリンターでのフィギュア制作は、データ設計やパーツ分割など細かな工夫がポイントです。安全管理や塗装への配慮も仕上がりに大きく影響します。

本記事で紹介したポイントを押さえて、高品質なフィギュア制作を目指しましょう。自分だけのオリジナル作品を楽しんでください。

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