こんにちは、Fabmartの斉藤です。
今回は3Dプリンターを使って簡単にルアーを作る方法をご紹介します。
まず最初に3Dプリントするには、3Dデータが必要になります。
「3Dデータを作れないから私には無理だ……」と諦めないでください!
今はルアーの3Dデータをダウンロードできるサイトがあるので、誰でも簡単にルアーを自宅でプリントすることが出来ます。
MakerBot Thingiverse(※外部サイト)
画像引用元:Makerbot Thingiverse
とは言っても、やはりオリジナルのルアーを作りたいのが釣り人だと思います。
そこでルアーのデータを作る際にお勧めしたいのが、Fusion 360という無料3DCADです。(*Fusion 360についてはこちら)
それでは、Fusion 360でルアーを作る手順をご紹介します。
使うコマンドも限られていますので初歩的な操作を覚えていただければ大丈夫です!
スリプリセミナーでは、Fusion 360の基礎を学ぶことができます。
Fusion 360の基本操作を順を追って教えているので、少ない日数で確実にスキルを身につけることができますよ。
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興味がある方は、以下の記事も合わせて参考にしてみてください!
【関連記事】初めての方でも安心!Autodesk社公認のFusion360入門セミナーとは?!
Fusion 360が作成したデータは3Dプリント用のSTLというデータ形式に書き出しする必要があります。
データ変換? STL? ……難しそう」って思わなくて大丈夫!
Fusion 360には3Dプリントというコマンドがあるので、3DプリントしたいデータをクリックするだけでSTLデータが出来上がります。
3Dプリンターをネットで検索してみると、FDM方式・光造形方式・カラープリンター……など色々なプリンターが出てきます。正直どれを買ったら良いかわからないですよね?
詳しい3Dプリンターの選び方については、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
【関連記事】3Dプリンターの選び方 – 3Dプリンター選びで重視することは?
ルアーの場合「FDM方式(以下FDM)」という樹脂を積層していくタイプがお勧めです。
造形物の強度もあり値段もお手頃で、お手入れも簡単なので3Dプリント初心者にはFDMをお勧めします。
一般的なサイズであれば150mmまでプリントできる3Dプリンターを買っておけば大丈夫です。ジョイントタイプにすればさらに大きいルアーも作れます。
ただし、海で大物用のルアーを作成する際は浸水、接着に注意が必要です。
使用する材料は大きく分けて2つ、樹脂とレジンです。
FDMの場合、ABSまたはPLAなどの樹脂を溶かして積層していきます。対してレジンは光を当てることにより硬化させながらプリントしていきます。
ルアーの場合、紫外線劣化や強度も含めPLAやABSがお勧めです!
3Dプリンターを購入したら、メーカーサイトからスライサーソフトをダウンロードしましょう!
スライサーソフトとは、3Dプリントするサイズ、材料、積層ピッチなどを調整するソフトです。
どの3Dプリンターでも共通することですが、綺麗にプリントするコツがあります。
FDM(積層方式)でいえば積層痕がなるべく目立たない方向にセットし、かつ空中に浮く部分を無くしてあげることがポイントになります。(空中に浮く部分にはサポート材というものがつき、プリント後取り外すことがでできます。)
3Dデータをセットできたら材料と積層ピッチを指定してプリント開始。
50mmくらいのルアーであれば、1時間もあればプリントできると思います。
3Dプリントされたルアーを台から取り外し、サポート材を取ってヤスリなどで綺麗にします。
プリントしたボディと部品を取り付けてお風呂場などでアクションチェックしましょう。
この瞬間が一番ドキドキする瞬間ですね!
うまく泳いだら下地をコーティングして塗装作業に入ります。(この辺りはハンドメイドルアーの記事を参考にしてください。)
出来上がったルアーをタックルケースに忍ばせてフィールドに出かけよう!
ここまで3Dプリントルアーの作成方法の流れをご紹介してきましたが、3DCADでルアーをモデリングするメリットと3Dプリントルアーのメリット・デメリットについて触れておこうと思います。
それは設計変更やサイズ調整が容易だということです。
手で削ったルアーを設計変更するのであれば、最初から削り直す必要があります。しかし3DCADでモデリングしていれば、データの履歴を修正することにより短時間で正確に設計修正が可能になります。
また対象魚に合わせてサイズ調整も簡単に行うことも可能です。
3Dデータを使ってプリントしているため、何度でも同じものが再生産できます。
仮に作ったルアーが根がかり(障害物に引っかかること)しても家に帰って3Dプリンターのスイッチを押せば、同じものがプリントされるのは釣り人としてはありがたい限りです。
対してデメリットはインジェクション整型や無垢材に比べて強度が落ちることです。
3Dプリンターは樹脂を溶かして積層しているため、積層方向で折れてしまうことがあります。これは設計・スライサーソフト・下地処理である程度カバーすることができます。
いかがでしたでしょうか?
最初は難しそうに思えた3Dプリンターを使ってのルアー作りも何となくできるような気がしてきたのではないでしょうか?
また、自分でモデリングすることによって、今まで使ってきた市販のルアーがどれほど苦労し開発されてきたのかも気付かされると思います。
ハンドメイドでも3DCADでもルアーの設計は奥が深く答えがありません。
何度作り直してもうまくいかないこともありますが、苦労して作ったルアーで釣った時の喜びは何にも変えがたいものがあります。
是非皆さんも3Dプリンターを使ったものづくりに挑戦してみてください。
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