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3Dプリンターで家具の作成は可能?おすすめの造形方式も紹介

【2025】3Dプリンターで家具の作成は可能?おすすめの造形方式も紹介

3Dプリンターを使用して「家具の作成がしたい」「家具は個人でも作れる?」と思う方も多いのではないでしょうか?家具のサイズにもよりますが、家庭用3Dプリンターでも十分作成は可能です。

ただし、椅子やテーブルなどのサイズを家庭用3Dプリンターで作成する場合、かなり時間と労力がかかります。そのため、販売されている家具を購入する方がお得の場合もあるでしょう。

本記事では、個人で家具の作成をしたい方を対象に家具の作成方法、メリット・デメリットなど詳しく解説していきます。

3Dプリンターで家具の作成は可能?

結論から言えば、3Dプリンターで家具の作成は可能です。世界で人気のある家具やインテリアの中には3Dプリンターで作成されたモノも多く、使用されている材料も木廃材やい草など様々です。
3Dプリンターの技術自体が大きく進化しているため、形状やデザインなどあらゆる家具は作られています。

実際に3Dプリンターで家具を製作する企業は増加しており、国内だけでなく国外でも3Dプリンターを使用した家具制作に取り組む企業は増えています。

2029年までに3Dプリンティングの国内市場規模は492億円に達すると予想されており、今後も家具制作に取り組む企業は増加すると予想されています。

3Dプリンターで作成した家具を紹介

3Dプリンターで作成した家具を紹介

3Dプリンターで作られた家具はどのようなものがあるのでしょうか?ここでは以下4点の家具をご紹介します。

  • リンクラウンジ2.0
  • EXT 1270 Titan ペレット
  • TATAMI ReFAB PROJECT
  • TABWDデスク

3Dプリンターで作成した家具①リンクラウンジ2.0

リンクラウンジ2.0

引用:PR TIMES

リンクラウンジ2.0は多業界に家具を納入する業務用家具メーカー株式会社アダルがリデザインした椅子になります。日本で初めて広葉樹の廃材を活用し、大きな注目を集めました。

今回の製作では木粉と樹脂を混合したペレットを使用し、ペレット溶解積層方式3Dプリンターでシェルを射出成形しました。こちらの椅子は木端材からつくられた木粉と3Dデータがあれば1台から製作が可能です。

3Dプリンターで作成した家具②EXT 1270 Titan ペレット

EXT 1270 Titan ペレット

引用:3D SYSTEMS

「EXT 1270 Titan ペレット」はSlicelab社が設計し、美観と機能を共存させた3Dプリントチェアです。こちらのチェアに要したプリント時間はおよそ25時間ほどで、90 ポンドの熱可塑性ペレットが使用されました。

フィラメント押出プリンタで同じ設計をプリントするには、少なくとも4倍の時間がかかるため、材料のコストは高くなります。しかし、ペレットを使用することで部品の強度が高くなり材料費を抑えることが可能です。

3Dプリンターで作成した家具③TATAMI ReFAB PROJECT

TATAMI ReFAB PROJECT

引用:fabcross

「TATAMI ReFAB PROJECT」はデザイナー集団「HONOKA」によって生み出された7種の作品群です。「国際的若手デザイナーの登竜門」とも呼ばれるアワードで、500名を超える出展者の頂点に選ばれました。

3Dプリントの際に活用されたのは「い草」です。また、い草だけでは人間は座れる耐久性を保てないため、素材作りから始め完成させました。

3Dプリンターで作成した家具④TABWDデスク

TABWDデスク

引用:Response

最後に紹介するのは前田技研が植物材料の樹脂を大型3Dプリンターで造形した「TABWDデスク」です。木の温もりを感じる造形家具として製作された椅子は、材料に植物材料の射出材料「TABWD」(タブウッド)が使用されています。

TABWDは自動車部品にも使用される材料で、CO2排出量が削減でき、部品の軽量化に貢献できるだけでなく、リサイクルが可能なのが特徴です。

3Dプリンターで家具を作成するメリット

3Dプリンターで家具を作成するメリット

3Dプリンターで家具を作成するメリットについて以下3点から使用していきます。

  • コストを抑えられる
  • オリジナルデザインにできる
  • 廃材を使用すれば材料費がかからない

メリット①コストを抑えられる

3Dプリンターで家具を作成すれば、製作された家具を購入するよりはるかにコストを抑えることが可能です。先ほどの事例で紹介した通り、使用されている材料も木廃材やい草など無料で手に入れることが可能な素材です。

個人で作成しようと考えれば時間と労力がかかるものの、コストを大きく抑えられるのはメリットと言えるでしょう。

メリット②オリジナルデザインにできる

販売されている家具のデザインは様々ですが、いまいちしっくりこないという方もいるのではないでしょうか。3Dプリンターを利用すればオリジナルのデザイン家具を作成できます。

世界に1つだけの家具を製作できれば達成感も得られるでしょう。

メリット③廃材を使用すれば材料費がかからない

本来3Dプリンターで造形するためにはフィラメントやレジンなど材料を使用しますが、事例でも紹介した通り廃材を使用した家具も多いため材料費を抑えられることが可能です。

ただし、注意したいのは全く材料費がかからないというわけではありません。
例えば、い草を使用したチェアはい草の粉末が練り込まれておりデザイン性の高いものが完成できます。耐久性に関しても異なる素材を使用して出しているため、材料単体では作れない可能性もあります。

3Dプリンターで家具を作成するデメリット

3Dプリンターで家具を作成するデメリット

3Dプリンターで家具を作成するデメリットは以下の2点です。

  • 時間と労力がかかる
  • プリンター自体の値段が高い

デメリット①時間と労力がかかる

個人で家具を作成する場合は1つ1つのパーツを造形し、組み合わせて家具が完成します。そのため、時間と労力は相当かかることが予想されます。

組み立て自体が楽しみの1つとも言えますが、すぐに家具が欲しいという人は3Dプリンターで作成することをおすすめしません。

デメリット②プリンター自体の値段が高い

事例でも紹介した通り、木廃材やい草などを使用できる3Dプリンターは販売されているものの高価なものになります。また、家具を作成している3Dプリンターは業務用になるため個人で購入できる値段に設定されていません。

もちろん、パーツを1つずつ造形して組み立てる場合は家庭用3Dプリンターでも十分可能であるため、プリンターの値段を抑えたい場合は家庭用での製作になります。

個人で3Dプリンターを使用して家具を作成する方法

個人で3Dプリンターを使用して家具を作成する方法

個人で3Dプリンターを使用して家具を作成する方法は以下の手順になります。

  1. データを用意する
  2. パーツごとに造形を開始する
  3. 組み立てを行う
  4. 研磨や塗装を行う

手順①データを用意する

まずはデータを用意する必要があります。データの作成方法でおすすめなのは3DCADソフトを使用する方法です。
CADソフトを利用すれば、細かい部分までこだわれるためデザイン性の高い理想通りの家具を作成することができるでしょう。

データの作成方法について詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。

3Dプリンターのデータ作成方法は?作成後の手順や注意点も解説

手順②パーツごとに造形を開始する

家具のデータを作成し、パーツごとに造形を開始していきます。造形の寸法やサイズが異なれば家具の作成はできないため、慎重に作成していきましょう。

また、パーツの量がかなり数になる場合は長時間3Dプリンターを稼働させると精度に問題が出る可能性もあるため、時間を置いて造形していきましょう。

手順③組み立てを行う

パーツが完成したら組み立てを行っていきましょう。組み立ては3Dプリンターではなく手作業で行っていきますが、造形後時間を置いて組み立てるのがポイントです。

また、組み立てを行う際は耐久性が弱くなりそうな部分などに釘やボルトを打ち込んで耐久性を高めましょう。

手順④研磨や塗装を行う

仕上げでは研磨や塗装を行います。使用する造形方式によっては表面にザラつきが生じるため、研磨などの手間がかかる可能性もあります。

ここまでできればオリジナル家具の完成です。

個人でも家具の作成は可能?

前述の通り、3Dプリンターを利用して個人でも家具を作成することはハードルが高いですが可能と言えるでしょう。
ただし、家庭用で使用される3Dプリンターは造形サイズがかなり小さく、人間は日常生活で使用できる家具を作成する方法は、

  • 家庭用3Dプリンターでパーツ1つ1つを造形し、組み立てる
  • 業務用3Dプリンターを購入する

の2通りが一般的です。業務用3Dプリンターを個人で購入するのはコストも高くなり、設置場所の確保など現実的ではありません。

また、家庭用3Dプリンターで造形する場合は、組み立てが必須となるので組み立ての工程が大変な場合は家具のデータだけを作成し、業者にプリント依頼をすると良いでしょう。

3Dプリンターで家具を作る際のおすすめ造形方式

3Dプリンターで家具を作る際のおすすめ造形方式

3Dプリンターで家具を作る際のおすすめは「熱溶解積層方式」です。

熱溶解積層方式は材料費も安く初心者にも扱いやすいのが特徴で、強度や耐熱性に強いため人間が使用しても壊れにくいものが作成できます。
光造形方式などは表面が滑らかに仕上がるため、見た目としては申し分ないですが強度に問題があり直射日光を浴びると形状が変化してしまう恐れがあるため、設置場所など限定され実用的ではありません。

熱溶解積層方式は使用する材料にもよりますが、人間が座っても問題ない強度を実現することも可能でしょう。
ただし、外観の滑らかさなどは演出しにくいため、研磨や塗装など最後の仕上げに手間がかかります。

造形方式の特徴やそれぞれの強みについて詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。

【2024】3Dプリンターの種類は?造形方式ごとのメリットも紹介

3Dプリンターで家具作成についてのまとめ

3Dプリンターで家具作成についてのまとめ

本記事では3Dプリンターで家具を作成する方法やメリット・デメリットについて紹介しました。3Dプリンターの技術は日々進化しており、日常生活には欠かせないモノも作成できるようになっています。

家庭用3Dプリンターではかなり難易度が高いものの、工夫やアイデアを凝らせば家具の作成も可能です。本記事を参考に家具の作成に挑戦してみてはいかがでしょうか。

また、3Dプリンターの購入を検討しているのであれば3Dプリンター専門ショップ「Fabmart」での購入がおすすめです。

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