「3Dプリンターに興味はあるけれど、いきなり購入するのはハードルが高い」そんなときに便利なのが、3Dプリントの依頼サービスです。
データを用意するだけで、専門の業者が希望の形状を造形してくれるため、機材を持っていなくても気軽に3Dプリントを試すことができます。
しかし、いざ依頼しようとすると「どこに頼めばいいのかわからない」「価格や納期はどのくらいかかるの?」と迷ってしまうことも多いでしょう。
この記事では、3Dプリントを依頼する際に知っておきたい基本の流れや、業者選びのポイント、個人でも利用しやすいおすすめのサービスを紹介します。
個人向け3Dプリンターの依頼サービスとは?
3Dプリンターを使ってみたいけれど、機材の購入や操作に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
そんなときに便利なのが、3Dプリントの依頼サービスです。専門の業者にデータを渡せば、自分でプリンターを持っていなくても高品質な造形物を作ることができます。
個人でも利用しやすいサービスが増えたことで、試作品の作成や趣味のフィギュア製作、オリジナルアクセサリーの制作など、幅広い用途で活用されています。
ここでは、3Dプリントの依頼サービスの概要やメリット、利用の流れについて見ていきましょう。
3Dプリント依頼サービスの概要
3Dプリント依頼サービスとは、3Dデータを送るだけで、希望の素材や形状に応じた立体造形物を業者が作成し、発送してくれるサービスです。造形方法や素材の種類も豊富で、樹脂や金属、セラミックなど、用途に合わせた選択が可能です。
一般的なサービスの特徴として、以下のようなポイントがあります。
- 3Dデータをアップロードすれば簡単に見積もりが取れる
- 最短1日〜数週間で納品可能(業者や素材によって異なる)
- 高精度な業務用3Dプリンターを利用できるため、個人では難しい造形も可能
- 仕上げ加工(研磨・塗装・染色など)もオプションで選択できる
企業の試作品制作から個人の趣味まで、幅広いニーズに対応しているのが特徴です。
どんな人におすすめ?
3Dプリントの依頼サービスは、自分で3Dプリンターを持っていなくても、手軽に高品質な造形を実現できる便利な方法です。家庭用プリンターでは再現が難しい細かいデザインや強度のあるパーツも、プロの設備を利用することで精度よく仕上げることができます。
以下の人におすすめです
- 3Dプリンターを持っていないが、一度試してみたい人
- 趣味でフィギュアやアクセサリーなどを作りたい人
- 高精度な造形や特殊な素材を使いたい人
- 3Dデータは作れるが、自宅のプリンターでは精度が足りないと感じている人
- 1点だけ作りたい、または少量生産をしたい人
代行サービスを利用すれば、高額な機材を購入しなくても3Dプリントの可能性を広げることができます。
試作品の作成やオリジナルグッズの制作など、アイデア次第でさまざまな活用ができるため、初心者から上級者まで幅広くおすすめできるサービスです。
依頼の流れ
3Dプリントの依頼は、基本的にオンラインで完結するため、誰でも簡単に利用できます。
事前に3Dデータを準備し、業者に送信すれば、見積もりを確認したうえで発注し、完成品が自宅に届く流れです。業者によって対応できる素材や納期が異なるため、事前に比較検討することが大切です。
以下の表にステップをまとめました。
ステップ | 内容 |
---|---|
3Dデータの準備 | 3Dモデリングソフトを使ってデータを作成し、対応フォーマット(STL、OBJなど)に変換する。データ作成が難しい場合は、業者のデータ作成サービスを利用することも可能。 |
業者へデータを送信・見積もり依頼 | 業者のWebサイトにデータをアップロードし、素材や仕上げオプションを選択。自動または手動で見積もりを取得し、納期や価格を確認する。 |
注文・支払い | 見積もりに納得したら、注文を確定し、決済を行う。クレジットカードや銀行振込など、業者によって支払い方法が異なる。 |
3Dプリントの実施 | 業者が3Dプリンターを使って造形を開始。必要に応じて研磨や塗装などの後処理を実施する。 |
発送・受け取り | 完成品が指定の住所に届く。受け取り後、仕上がりを確認し、不具合があれば業者に問い合わせる。 |
データ作成から納品までの所要時間は、業者や素材によって異なります。一般的には数日から数週間ほどかかるため、納期を確認したうえで依頼することが重要です。
もし希望の納期がある場合は、早めに問い合わせるとスムーズに進めることができるでしょう。
個人向け3Dプリント依頼サービスを選ぶ際のポイント
3Dプリントの依頼サービスは、業者によって対応できる素材や価格、納期が大きく異なります。自分の目的に合った業者を選ばないと、希望通りの仕上がりにならなかったり、予算を超えてしまったりすることもあるでしょう。
特に個人で依頼する場合、専門知識がなくても利用しやすいかどうかも重要なポイントです。
ここでは、3Dプリントサービスを選ぶ際に注目すべきポイントについて解説します。
対応素材の種類
3Dプリントで使用できる素材は、樹脂、金属、セラミックなど多岐にわたります。用途によって適した素材が異なるため、希望する仕上がりに合わせて選ぶことが大切です。
例えば、軽くて安価なプラスチック素材(PLAやABS)はフィギュアや試作品に向いていますが、強度が求められるパーツにはナイロンやカーボン強化樹脂が適しています。ジュエリーや工業用部品には金属系の素材(アルミ、チタン、ステンレス)を選ぶと、耐久性の高い仕上がりになるでしょう。
業者によって対応している素材が異なるため、事前に希望の素材を扱っているかを確認することが重要です。
柔らかいフィラメントについて知りたい方は、下記をご覧ください。
価格の目安
3Dプリントの価格は、素材の種類や造形サイズ、オプションの有無によって大きく変わります。
個人利用での大まかな相場は以下の通りです。
- 数千円〜1万円程度:小型のシンプルな造形(アクセサリー、小型パーツなど)
- 1万円〜5万円程度:中型サイズの造形(フィギュア、ケース、試作品など)
- 5万円〜数十万円:大型造形、高精度モデル、金属製パーツなど
予算に余裕がある場合は、仕上げ加工を追加するとより完成度の高い造形が可能になります。複数の業者で見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。
納期の違い
3Dプリントの納期は、業者や素材、造形方式によって異なります。
一般的な納期の目安は以下の通りです。
- 最短納品(翌日〜3日):簡単な造形、標準的な素材(PLAやABSなど)
- 通常納期(5日〜10日):中規模の造形、特殊素材を使用する場合
- 長納期(10日以上):大型造形、金属やセラミック素材、複雑な形状の造形
急ぎで必要な場合は、短納期対応の業者を選ぶか、追加料金で特急対応が可能か確認すると良いでしょう。
オプションサービス
3Dプリント後の仕上がりを向上させるため、オプションサービスを利用できる業者も多くあります。
以下のオプションが標準的です。
- 研磨:表面を滑らかにし、造形の層の段差を目立たなくする
- 塗装:希望のカラーに仕上げる(光沢仕上げ、マット仕上げなども選択可能)
- 組み立て:複数のパーツを接着し、完成品として納品
- メタルコーティング:金属風の質感を出す加工
オプションを利用することで、より本格的な製品に近い仕上がりを実現できます。ただし、追加料金が発生するため、事前に見積もりを確認することが大切です。
個人でも依頼しやすい業者の特徴
3Dプリントの依頼サービスは企業向けのものも多いため、個人が利用しやすい業者を選ぶことが重要です。特に、初心者向けのサポートが充実しているかどうかをチェックすると安心して利用できるでしょう。
以下の表にポイントをまとめました。
選びやすいポイント | 特徴 |
---|---|
自動見積もりができる | 3Dデータをアップロードすると、すぐに価格が表示される |
少量生産・1点から依頼可能 | 1個からでも発注できるので、試作品や個人制作向け |
データ作成サービスがある | 3Dデータを持っていなくても、業者が作成を代行 |
納期が明確に表示されている | 何日で納品されるか事前に把握できる |
初心者向けのサポートが充実 | チャットやメールで相談できる業者が安心 |
個人で依頼する場合、見積もりがスムーズに取れるか、1点から発注できるかなどの点をチェックすると選びやすくなります。特に、3Dデータの作成が難しい場合は、データ作成をサポートしてくれる業者を選ぶとスムーズに進められるでしょう。
個人向け3Dプリンター依頼サービスおすすめ10選!
3Dプリントの依頼サービスは数多くありますが、それぞれ対応素材や価格、納期などに違いがあります。自分の目的に合った業者を選ぶことで、より満足度の高い仕上がりを得ることができるでしょう。
ここでは、個人でも利用しやすく、品質やサービスに定評のあるおすすめの3Dプリント依頼サービスを10社紹介します。特徴を比較しながら、自分にぴったりの業者を見つけてみてください。
① DMM.make
DMM.makeは、3Dプリント業界でも最大手のサービスで、初心者から上級者まで幅広く利用されています。32種類もの素材を取り扱っており、プラスチックから金属まで多様なニーズに対応可能です。
特徴は下記の通りです。
- 素材の種類が豊富で、希望に合った仕上がりを選べる
- 国内にプリントセンターを持ち、短納期にも対応
- 公式サイト上で簡単に見積もりを確認できる
業界最大手ならではの安心感があり、品質とサービスのバランスが取れた依頼先としておすすめです。
② 3Dayプリンター
3Dayプリンターは、スピード納品を重視した3Dプリントサービスで、最短翌日での発送が可能です。見積もり依頼後、約3時間で回答がもらえるため、急ぎの依頼にも対応しやすいのが魅力です。
特徴は下記の通りです。
- 注文から最短1日で納品されるため、スピードが求められる案件に最適
- プロ仕様の3Dプリンターを使用し、高精度な造形が可能
- 価格帯も比較的リーズナブルで、個人利用にも向いている
納期を優先したい人や、試作品を短期間で作成したい人におすすめのサービスです。
③ JMC
JMCは、3Dプリントの精度にこだわる業者で、年間約2,800件の取引実績があります。工場が年中無休で稼働しており、短納期での対応も可能です。
特徴は下記の通りです。
- 高精度な造形が可能で、工業部品や試作品にも適している
- 見積もりは原則1時間以内に回答され、迅速な対応が魅力
- 仕上げ加工のオプションが充実しており、品質向上が期待できる
精度の高い造形を求める人や、短納期での対応が必要な人に適しています。
④ INTER CULTURE
INTER CULTUREは、3Dプリント歴30年以上の実績を持つ企業が運営するサービスで、自動3Dデータ評価システムを採用しています。データの問題点を事前に確認できるため、初心者でも安心して利用できます。
特徴は下記の通りです。
- 3Dデータの評価機能により、造形トラブルを未然に防げる
- 初回利用者やリピーター向けの割引制度があり、コストを抑えやすい
- 工業・医療・自動車業界などでの利用実績が豊富
データの不備が気になる人や、品質の高い造形を求める人におすすめです。
⑤ RICOH
RICOHは、大手企業ならではの安定した品質と技術力を活かした3Dプリントサービスを提供しています。納期や価格が明確に記載されており、安心して依頼できるのが特徴です。
特徴は下記の通りです。
- 造形材料や方式が豊富で、多様なニーズに対応可能
- 仕上げ加工のオプションが充実しており、完成度を高められる
- 最短翌日発送も可能で、急ぎの案件にも対応
大手ならではの信頼感があり、初めて3Dプリントを依頼する人にも適したサービスです。
⑥ Kinko’s
Kinko’sは、3Dプリントの依頼が初めての人でも安心して利用できるサポート体制が整っています。店舗でも相談できるため、オンラインでの依頼が不安な人にも向いています。
特徴は下記の通りです。
- 初心者向けに注文の流れを分かりやすく説明するガイドを提供
- 納期が明確で、用途に応じた素材選びがしやすい
- 店舗での相談が可能で、直接アドバイスを受けられる
3Dプリントに不慣れな人や、対面で相談しながら依頼したい人におすすめのサービスです。
⑦ COCONARA
COCONARAは、個人と個人をマッチングするサービスで、3Dプリントを安価に依頼できるのが特徴です。提供者によって価格や納期が異なるため、自分に合った条件で依頼できます。
特徴は下記の通りです。
- 低価格で3Dプリントの依頼が可能で、予算を抑えたい人向け
- 提供者ごとにスキルや対応内容が異なるため、自由に選べる
- 直接やり取りができるため、細かいカスタマイズも相談しやすい
コストを重視する人や、個性的なサービスを求める人におすすめです。
⑧ 3DTOWN
3DTOWNは、業界最安値を目指した低価格の3Dプリントサービスで、特にフィギュアや小型パーツの造形に強みがあります。
特徴は下記の通りです。
- 低価格で3Dプリントを提供し、コストパフォーマンスが高い
- 4Kプリンターを使用し、細部まで滑らかな仕上がりが可能
- 独自のデータ規格に沿うことで、エラーチェックを簡略化
できるだけ安く3Dプリントを依頼したい人に最適なサービスです。
⑨ ツクルス
ツクルスは、ABS素材の立体出力に特化した3Dプリントサービスで、精度の高い仕上がりが特徴です。
特徴は下記の通りです。
- ABS立体出力に特化し、高品質な造形を実現
- 長年の実績があり、ノウハウを活かしたアドバイスが受けられる
- 3Dスキャンやコンサルティングなど関連サービスも充実
ABS素材での造形を考えている人におすすめの業者です。
⑩ SOLIZE
SOLIZEは、試作品や産業向けの高品質な3Dプリントを得意とする業者で、大手企業との取引実績も豊富です。
特徴は下記の通りです。
- 試作や工業用途に適した高精度な造形が可能
- 最新の3Dプリンターを使用し、複雑な形状にも対応
- 大手企業との取引実績があり、信頼性が高い
高品質な試作品を作りたい人や、精密な造形を求める人に適したサービスです。
3Dプリンター購入か依頼か迷った時のポイント
3Dプリンターを使ってみたいと思ったときに、「購入するべきか、それとも依頼サービスを利用するべきか」で迷うことが多いです。
自分で3Dプリンターを持てば好きなタイミングで造形できますが、本体の価格やメンテナンスの手間がかかります。一方で、依頼サービスを利用すれば高性能な機材を使えますが、頻繁に注文する場合はコストがかさむ可能性もあります。
ここでは、それぞれの選択肢のコストパフォーマンスや利用頻度に応じたおすすめの方法について見ていきましょう。
どちらがコスパが良いか比較する
3Dプリンターを購入する場合と依頼サービスを利用する場合では、コストのかかり方が異なります。
3Dプリンターを購入すると、本体の価格に加えてフィラメントやレジンなどの材料費、定期的なメンテナンス費用が発生します。例えば、家庭用の3Dプリンターは3万円から購入できますが、高精度なモデルや産業用機器になると数十万円以上するものもあります。また、消耗品の交換や故障時の修理など、維持費も考慮する必要があるでしょう。
一方、依頼サービスを利用する場合は、造形物ごとに料金が発生します。
小型のオブジェクトであれば数千円で済むことが多いですが、大型の造形や特殊な素材を使う場合は数万円以上かかることもあります。ただし、高精度な造形が求められる場合や、金属などの特殊な素材を使用する場合は、自分で3Dプリンターを購入するよりも依頼サービスの方がコストを抑えられる可能性もあるのです。
また、3Dプリンターのレンタルスペースで借りることもできます。詳細については下記をご覧ください。
利用頻度から検討する
3Dプリンターを使う頻度によって、購入するべきか、依頼サービスを利用するべきかの判断が変わります。
初心者の場合は、まず依頼サービスを利用して3Dプリントの仕組みや仕上がりを確認するのがおすすめです。趣味で定期的に使う場合は、依頼サービスと3Dプリンターの購入を比較しながら、コストや利便性を考慮するとよいでしょう。ビジネス用途では、使用頻度や求める精度によって、最適な選択肢が変わってきます。
以下の表に利用頻度ごとのおすすめ方法をまとめました。
利用頻度・目的 | おすすめの方法 | 理由 |
---|---|---|
初心者(まず試してみたい人) | 依頼サービス | 初期投資が不要で、3Dプリントの仕上がりを確認できる |
趣味(定期的に利用したい人) | 使用頻度が高ければ購入、低ければ依頼サービス | 小型プリンターなら手軽に導入可能だが、高精度な造形は依頼サービスの方が適している |
ビジネス・試作品製作 | 依頼サービスまたは業務用プリンターの導入 | 精度が求められるため、高性能な3Dプリンターを活用する方がよい |
初心者の方は、まず依頼サービスを試し、3Dプリントの品質や仕組みを理解してから購入を検討するのが理想的です。趣味として楽しみたい場合は、コストや頻度に応じて適切な方法を選ぶとよいでしょう。ビジネス用途では、依頼サービスを活用しつつ、コストや納期の面で購入を検討するのがベストな選択肢となります。
個人向け 3Dプリンター依頼サービスを活用しよう!
3Dプリンターの依頼サービスを利用すれば、高額な機材を購入せずに高品質な造形が可能になります。
自分で3Dプリンターを購入するかどうかは、使用頻度や求める仕上がりの精度によって決めるのがポイントです。まずは依頼サービスを活用して、自分に合った方法を見極めるとよいでしょう。
また、3Dデータの作成に必要なスキルを身につければ、より自由度の高い造形が可能になります。特にAutoCADのような設計ソフトを使えるようになると、試作品やオリジナルアイテムの制作がスムーズになるでしょう。
自力で3Dデータの制作を目指すなら、以下のようなセミナー受講もおすすめです。
セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
---|---|
運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
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