3Dプリンターの技術の発展により様々なモノを作成することが可能になりました。以前まではコストが高く手が出せなかった方もいますが、家庭用3Dプリンターが発売されたことで個人でもモノづくりを楽しむことができます。
特に実用品や便利小物なども3Dプリンターで作成できれば、普段の生活をより豊かにし販売すれば副業としても成立することが可能です。
そこで本記事では3Dプリンターで作成できる便利小物や作成する際の注意点、おすすめの造形方式について解説していきます。
3Dプリンターで便利小物を作成する前に準備するもの
3Dプリンターを用いて便利小物を作成する前にまずは以下のアイテムを準備しましょう。
- パソコン
- 作成したい便利小物のデータ
- スライサーソフト
- 材料
- ヤスリやブラシなど
これらがあれば原則は便利小物を作成できるでしょう。
特に準備が大変なのは3Dデータです。基本的に3Dプリンターで造形物を作成する際は3DCADソフトなどでデータを作成してから行います。しかし、初心者には少しハードルが高いでしょう。
そのため、はじめはWeb上で無料配布されているデータをダウンロードして3Dデータを取得するのがおすすめです。3Dプリンターで便利小物の作成に慣れたら、データの作成にもこだわってみましょう。
3Dプリンターのデータ作成方法
実際どのように3Dプリンターのデータを作成していくのかを説明していきます。
3Dプリンターのデータ作成方法は主に4種類あり、
- 3DCADソフトを使用する
- 3DCGを使用する
- 3Dスキャナーを使用する
- 無料サイトからデータをダウンロードする
それぞれについて詳しく解説していきます。
データ作成の手法①3DCADソフトを使用する
3Dプリンターで便利小物を作成する際に3DCADソフトを利用する方法があります。3Dモデリングが可能であれば3DCADソフトを使用するのがおすすめです。
自由なデザインと寸法を自由に決めることができるためオリジナルの便利小物を作りやすいのが魅力です。ただし、CADソフトを操作するスキルや知識が必要なため、初心者には向いていません。
データ作成の手法②3DCGを使用する
CGを作成するツールを使用し、便利小物のデータを作成します。CGツールでは、
- ポリゴンベース
- スプラインベース
の2種類の方法を使用します。3DCGツールは正確な寸歩を表現しにくいですが、滑らかな曲線を実現することが可能です。しかし、3DCADソフト同様に知識やスキルが必要であるため、初心者には不向きでしょう。
データ作成の手法③3Dスキャナーを使用する
自身の手元に作成したい便利小物がある際は、3Dスキャナーでスキャンすれば3Dプリンター用のデータを作成できます。3Dスキャナーの魅力は形状を細かく再現でき、複雑な便利小物でも簡単にデータ化できます。
ただし、スキャナーは値段が比較的高く費用相場は2万円〜10万円以上するものもあります。初心者でも簡単にデータを作成できますがコストを抑えたい方には向いていないでしょう。
データ作成の手法④無料サイトからデータをダウンロードする
初心者に最もおすすめの方法です。無料で提供されているデータをダウンロードすれば簡単にデータを取得できます。多くのサイトで無料提供されているため自身の想定している便利小物データが見つかるでしょう。
ただし、サイトによってはセキュリティが脆弱でウイルスに感染するなどのリスクもあります。ダウンロードをする前には必ずサイトの安全性を確かめましょう。
3Dデータの詳しい作成方法については以下の記事をご覧ください。
3Dプリンターで作れる便利小物7選
ここからは3Dプリンターで作成できる代表的な便利小物を7つ紹介します。
- スマホスタンド
- 歯ブラシ立て
- ペン立て
- 小物入れ
- クリップ
- ルアー
- 傘モチーフ
スマホスタンド
引用:minne
スマホスタンドはオシャレなモノになると高価な値段になりますが、3Dプリンターで作成できれば安価に手に入ります。写真のような曲線を描いた形状やオブジェとしても扱えるスマホスタンドなど様々なモノが作成できます。
歯ブラシ立て
引用:i-MAKER
3Dプリンターでは箱型など小物作成に適しているため、歯ブラシ立ては適しています。一本立てのモノや上級者であれば複数の歯ブラシを立てられるモノを作成するのもおすすめです。
歯ブラシ立てを3Dプリンターで作成した後は洗浄することをおすすめします。歯ブラシを立てる穴を複数形状するのは少し難しいため、まずは一本立てから挑戦してみましょう。
ペン立て
引用:FABINATE
ペン立ても日常使用するもので作成できれば便利な小物です。作り方は歯ブラシ立てと似ていますが、ペン立てではなく平置きできるペンケースも作れるため、まずは平置きのモノを作成してみましょう。
小物入れ
引用:i-MAKER
小物入れは3Dプリンターで作成できる代表的な小物です。シンプルな形状から複雑な形状・デザインのモノも作成できます。簡単に作成が可能なので初心者にも作りやすいもの魅力です。
何個あっても困らないため、様々な小物入れを作成してみましょう。
クリップ
引用:i-MAKER
3Dプリンターではクリップも手軽に作成できます。クリップはサイズが小さいため短時間で大量に生産が可能です。安価で手軽に作成できるので便利小物を始めて作るのであればクリップから作成するのがおすすめです。
ルアー
引用:キャド研
魚釣りで使用するルアーも手軽に作成可能です。部品別に作成していき組み立てを行います。その後、自身の好みの色を塗れば完成です。ルアーにしたい参考のオブジェがあればより手軽に作成できます。
傘モチーフ
引用:キャド研
ビニール傘を使用していると外出先で傘立てに立てると自分の傘がわからなくなることもあります。しかし、傘モチーフを3Dプリンターで作成し取り付けておけば自分の傘がわからなくなることもないでしょう。
3Dプリンターで便利小物を作る際の注意点
3Dプリンターで便利小物を作成する際には以下2つの点に注意しましょう。
- 販売する際は法律に触れないか確認する
- 換気や事故など注意する
販売する際は法律に触れないか確認する
便利小物を作成して副業として販売する方も増えてきています。しかし、販売する際は著作権などの法律に注意する必要があります。
例えば、人気アニメのキャラがプリントされた小物やすでに販売されている小物と類似したいアイテムは罪に問われます。中にはクッキーやおにぎりを作る際に用いる型もありますが、食品衛生法によって販売することは禁止されています。
オリジナルの便利小物であれば販売しても問題ありませんが販売する際は十分に注意しましょう。
換気や事故など注意する
便利小物の作成をする際には「光造形方式」の3Dプリンターを使用することも多いでしょう。しかし、レジンなどの材料によっては人材に害を及ぼす可能性もあります。そのため、便利小物を作成する際は換気を十分に行い火気の近くで使用するなどは避けてください。
3Dプリンターは安定した机などの上で周りにモノがない状態で使用しましょう。
便利小物を作る際に向いている造形方式
便利小物を作る際にどの種類が向いているの?と悩む方も多いかと思います。ここからは造形方式ごとに概要とコストについて紹介します。
- 熱溶解積層方式(FDM)
- 光造形方式
- レーザー焼結方式
- インクジェット方式
造形方式①熱溶解積層方式(FDM)
熱溶解積層方式は「フィラメント」という素材を使用するため、安価に便利小物を作りたい方におすすめです。特にPLAは安価でありながら安定性も高いのが特徴です。
一方で熱を素材で溶かして積層していくためシンプルな便利小物しか作れません。また、反りやすい傾向にもあるため耐久性や強度が求められる便利小物には向いていません。
造形方式②光造形方式
光造形方式は「レジン」と呼ばれる液体を使用するため表面が滑らかに仕上がり高い繊細性を誇ります。材料によって高強度でに仕上げることも可能です。デザインや見た目を重視した便利小物を作りたい方におすすめです。
一方で材料が高いためコストパフォーマンスが良いとは言えません。また、レジンは人体に害を及ぼす恐れがあるため使用する際は使用上の注意を守り、定期的な換気等が必要です。
造形方式③レーザー焼結方式
ナイロンやセラミックなどを粉末にした素材を使用しレーザーを照射して焼結させる方法です。サポート材がつかないため見た目が綺麗な便利小物が作成可能です。また、ナイロンが主な材料であるため軽量かつ高い強度の造形ができます。
しかし、材料コストが非常に高く3Dプリンター本体の値段も高いです。個人で導入するにはハードルが高く、初心者にはおすすめしません。
造形方式④インクジェット方式
インクを使用する印刷機同様にインクジェットヘッドから樹脂を噴射し紫外線で固めて積層していきます。高い透明性を誇り、フルカラーな便利小物を作ることが可能です。
ただし、太陽光に弱く素材の消費量が大きいことからコストも高くなりがちです。また、インクジェット方式特有の匂いも発生するため注意が必要です。
造形方式ごとの特徴についてさらに詳しく知りたいという方は下記記事もおすすめです。
3Dプリンターで便利小物を作る際によくある質問
ここでは3Dプリンターで便利小物を作成する際の質問についてまとめています。
3Dプリンターで作れない便利小物はありますか?
3Dプリンターは全ての小物を作れるわけではありません。完全に透明であるものや電子パーツなどは作成が難しいでしょう。しかし、日々3Dプリンターの技術は進歩しています。近い将来、3Dプリンターであらゆるものが作れるようになるかもしれません。
3Dプリンターはどのように選べば良いですか?
3Dプリンターを選ぶ際は、
- 造形方式
- 使用できる素材
- 造形精度
- 造形サイズ
で選びましょう。便利小物を作成する目的で3Dプリンターを選ぶ際は造形サイズは気にしなくても良いでしょう。主に造形方式と使用できる素材で選んでみてください。
便利小物を作る際のデータはどうすれば良いでしょうか?
便利小物のデータは「無料データ配布サイト」だけでなく、「3DCADソフト」や「3Dスキャナー」を使用する方法もあります。自身がイメージした便利小物を作りたいのであればデータを作成しなければいけません。
3Dプリンターの便利小物についてのまとめ
3Dプリンターを用いれば様々な便利小物が作成できます。まずは自身が作成したい便利小物をイメージし、データを作成して作ってみましょう。初心者の方でも手軽に作れるためはじめは難しいと感じるかもしれません、何度も挑戦することで理想の小物を作ることができます。
本記事を参考に様々な便利小物の作成に挑戦してみてください。